鑑賞後、活力がみなぎる高齢者たち
近年、作品によっては、「応援上映」という“声出し”や“手拍子”などを許可した上映が若者を中心に人気だが、「『九十歳。~』の場合、場内は、連日“応援上映”のような和やかな雰囲気がただよっています。見ていて、なんとも微笑ましいですね」(同)。
果たして、7月6日オンエアの『王様のブランチ』で紹介されたランキングでも、人気アニメや人気男性アイドルが主演を務める新作が上位に食い込むなか、『九十歳。~』は堂々4位にランクインされていた。
ちなみに、同番組のレギュラーで、映画館で観たという「パンサー」の向井慧は、見渡す限りシニア層だった客席についてリポートした後、エンドロールが流れて、場内が明るくなって、再び客席を眺めたら、「活力がみなぎっていたのがわかった」と感想を述べていた。
最新の数字で興行収入は6億円を突破。二桁も見えてきているという。中高年に愛される演歌・歌謡曲が1年かけて売り上げを伸ばすのにも似て、映画『九十歳。何がめでたい』はロングランになる可能性も極めて高くなってきた。
前田監督が心配しなくても、2度3度とリピートしたり、新たな友人を誘って、平日の映画館に足を運んだりするシニア層はまだまだ増えそうな予感。興行収入は9億円に上方修正されたという。
“期間限定になるかもしれない”Xの草笛光子のアカウントでは「映画館は涼しいですよ~」と呼び込んだり、スペシャル動画やキャストとのオフショットなどが連日ポストされたりしている。“リアル九十歳”の主演女優がここまで表立ってPRするのも珍しいだろう。
配給の「松竹」や、製作幹事の「TBS」も、「まだまだいける」と期待しているという。『九十歳。何がめでたい』、エッセイに続き、映画も記録を樹立しそうだ。
【プロフィール】
山田美保子(やまだ・みほこ)/『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ~テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。