目黒蓮が主演を務める月9ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)。『silent』の主要スタッフが再集結し、“親子の愛”をテーマに物語が描かれる。ネット上では大きな反響を呼んでいるが、内容が「重くて暗い」という指摘も多い。月9の“重くて暗い”作品は3作連続だ。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんがその背景について解説する。
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『海のはじまり』(フジテレビ系)の配信再生数が第1話・第2話ともに400万回超を記録したことが報じられました。これは月9ドラマ初であり、その他でも第3話まで3週連続でXの世界トレンド1位を記録したほか、TVerのお気に入り登録数が夏ドラマ断トツの約145万超となるなど、最大の話題作となっているのは間違いないでしょう。
同作は、ヒット作『silent』の脚本・生方美久さん、演出・風間太樹さん、プロデュース・村瀬健さんが再集結し、主演に人気絶頂の目黒蓮さんを迎えるなど、放送前から注目を集めていました。そんなポジティブな要素が多い一方で、第1話の段階から「また重い話なのか」「暗すぎる」などと戸惑う声も目立っています。
物語は主人公の月岡夏(目黒蓮)が7年前に別れた元恋人・南雲水季(古川琴音)の葬儀で、自分と血のつながった少女・海(泉谷星奈)の存在を知るところからスタート。元恋人が知らないところで子どもを産んで育てていたという衝撃の事実を突きつけられた夏は、さまざまな感情に襲われながらも、海や恋人・百瀬弥生(有村架純)、水季の母・南雲朱音(大竹しのぶ)と父・南雲翔平(利重剛)、元同僚・津野晴明(池松壮亮)らと向き合っていく様子が描かれています。
「さまざまな形の“親と子”のつながりを通して描く、愛の物語」と掲げられているように、同作のコンセプトはハートフルな家族の物語。しかし、第1話から水季が夏に妊娠中絶同意書への記入を促すシーンや、水季の葬儀で母・朱音がそれを夏に見せて実は産んでいたことを明かすなどのハードなシーンが続きました。
さらに第2話では弥生に妊娠中絶の過去が発覚。第3話でも不妊治療の末に水季を産んだ朱音が弥生に「子ども産んだことないでしょ?」と冷たく言い放つシーンがあり、そのたびにネット上には「重い」「暗い」「辛い」などの反応があがっています。