性的同意の基準は“相手の気持ち”がすべて
「ノー」とはっきり言えない女性でも、拒否反応を示す仕草はある。それを察することも男性には求められている。
「ひとつは“視線を外す”こと。これはノーの意思表示であるケースが多い。また“相槌を打たない”“口を固く結ぶ”“距離を取る”なども、相手に拒否を伝えるボディランゲージである可能性が高い。男性はこうした仕草を見逃さないようにしてください」(同前)
男性の真価が問われるのは、誘った女性からNGを突きつけられたときだ。
「誠意を持って謝罪して潔く帰りましょう。くれぐれも深追いは厳禁。拒否された時にスマートに撤退できる男性は好印象です」(同前)
「相手のニーズを見極める」ことも大切だ。
「ニーズとは、相手がどんな人間関係を求めているかです。一夜限りの割り切った肉体関係を求めているのか、中長期的なスパンで付き合える人を求めているのか。もし自分がワンナイトや短期間の恋愛を求めているのなら、相手も同じような“短期決戦型”でなければトラブルが起こりやすくなります。
パッと見は遊んでいそうだと思ったとしても、実は慎重派で男性とはしっかり付き合いたい中長期型であることも珍しくありません。男性側の勝手な思い込みでワンナイトを求めたりしたら、一発レッドカードだと心してください」(同前)
グラディアトル法律事務所の若林翔弁護士もこう語る。
「富永先生が言うように、性的同意の基準は“相手の気持ち”がすべてです。この前提に立って行動することが何よりも重要になります」
相手目線に立ったスマートなアプローチと、潔い撤退。女性との性的同意の形成にはこの2つが欠かせない。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2024年8月2日号