「約1年前に、熱海駅前店が入っているビルのオーナーさんから『建物が老朽化したので、耐震化の工事をする予定だ』というお話があり、この5月いっぱいで熱海駅前店を閉めました。
ほかに湯河原店と熱海中央店と3店舗経営していましたが、駅前店は全体の売り上げの半分以上を占めていたので、影響が大きい。コロナ禍や五月の年齢のこともあり、そろそろ潮時かなと思い、残る2店舗も8月18日に閉めることにしました」(五月みどりのマネジャーの逸見文泰さん)
歌手で女優の五月みどり(84才)が営む店として長年親しまれてきたギフトショップ「ヴィーナス」が全店閉店することになり、多くの常連客たちが別れを惜しんでいる。
20年以上も湯河原(神奈川)で暮らす五月が、こだわりを詰め込んだお店をオープンさせたのは10年以上前のこと。「きれい」「かわいい」「安い」をモットーに、自ら仕入れた衣服だけでなく、自身のCDや油絵なども販売。トントン拍子に拡大し、3店舗を経営するまでに。熱海中央店の従業員が語る。
「以前はみどりさんが近くの『ホテルニューアカオ』でディナーパーティーをやると、お客さんがいっぱい買い物をしてくれて、レジが1つじゃ足りないくらいでした。
ただ、みどりさんも今年で85才。ファンのかたもお年を召したかたが多く、コロナ禍以降、なかなかお店に足を運ぶことができなくなった印象でした。『みなさんに惜しまれるうちに』と決断したそうです。
熱海中央店も現在閉店セールをしています。実は、採算度外視の価格なので(商品を)売れば売るほど赤字になるのですが、みどりさんが『お客さんに喜んでほしい』ということなので営業しています」
五月は熱海での店じまいだけでなく、“終活”を進めているという。
「五月さんは都内の一等地に不動産を所有していたのですが、昨年、その物件も手放したそうです。もともとご自身で住んでいたお宅で、湯河原に移ってからも五月さんの本名の表札がかかり、お庭もきちんと手入れしてきました。ティッシュボックスを花などで装飾するフローラルクラフトが趣味で、そのご自宅では、生徒さんを集めて指導も行っていた。もう何年も教室は開かれていないようでしたね」(五月の知人)