スポーツ

やまぬ誹謗中傷と嫌がらせ 常連だった五輪選手についてTV取材を受けただけなのに…一時休業に追い込まれた飲食店店主の嘆き

5日に行われた日本選手団の中間会見。選手への誹謗中傷について「警察への通報や法的措置も検討する」などとの声明を1日に出したことについて「評価はいいが、それ以外の誹謗中傷はやめていただきたい。今後も厳正に対応してまいりたい」と述べた(時事通信フォト)

5日に行われた日本選手団の中間会見。選手への誹謗中傷について「警察への通報や法的措置も検討する」などとの声明を1日に出したことについて「評価はいいが、それ以外の誹謗中傷はやめていただきたい。今後も厳正に対応してまいりたい」と述べた(時事通信フォト)

 いま開催中のパリ五輪では、世界最高峰の選手たちの活躍を中継や報道を通して多くの人が楽しんでいる。一方、SNS上では選手への誹謗中傷が飛び交い、問題視されているが、誹謗中傷は選手に対してだけでなく、その関係者にも及んでいる。ライターの宮添優氏が、善意で選手についての取材に応えたことをきっかけに、誹謗中傷や威力業務妨害にあたるような迷惑行為に悩まされている人たちの声をレポートする。

 * * *
 日本人選手の活躍に沸くパリ五輪。金メダリストはもちろん、印象的な活躍を見せてくれた選手に関する取材記事や特集を多く見かけるのも、オリンピック期間のお馴染みの光景だ。実際に選手を知る人であれば嬉しさも増すが、手放しに喜んでばかりもいられないと、千葉県内で長年飲食店を営んできた店主の男性(60代)はため息混じりにこう話す。

「ペラペラ選手のことを喋って、失礼じゃないかとか非常識じゃないかとか、そんな電話が1日に何本も来るようになった。こんなことなら取材を受けなければよかったし、何より選手へ申し訳なくてね」(飲食店店主)

 この飲食店には約15年前から、五輪に出場した経験のあるX選手が度々来店していた。それは、X選手が小学生時代から、日本代表選手に選ばれた後も続き、店主は来店のたびに「頑張っているね」と声をかけ、X選手はその都度店主やスタッフ、居合わせた客などと写真を撮ったり、色紙にサインを書くなどして、長年バックアップしてくれた店主や地元の住民へのファンサービスも忘れなかった。

 およそ3年半前のある日。X選手の東京五輪出場が決まり、店のSNSに「おめでとう」とX選手の写真をアップしたところ、その投稿を見たテレビ局から電話がかかってきたという。

「X選手行きつけの店として取材したいという電話でね。店としてはOKだけど、X選手とか、マネージメント会社を通さないのもアレだからと思って、しっかりテレビ局に言ったのよ。先方に確認とって、OKであれば取材は受けると。事前にその辺りもクリアできたので、取材に応じたんですよ」(飲食店店主)

 間もなく訪れた取材日には、キャスターをはじめ、カメラマンなど数名のクルーがやってきて、撮影自体は店が開店する前の1時間ほどで終了。その日の夕方にはテレビニュースで流れ、店主自身も、取材を受けたこと、その日の何時頃にテレビでオンエアされることなどをSNSに書き込んだ。オンエア後、「X選手行きつけの店に行きたい」「お店でX選手と会ったことがある」といった、客や視聴者らのポジティブな反応が多く寄せられた。一方で、十数件もの「クレーム電話」が相次いだという。

関連記事

トピックス

およそ揉め事を起こしそうにない普通の人たちがカスハラの主役になっている(写真提供/イメージマート)
《”店員なんて赤の他人”的な行為が横行》条例施行から2か月、減らないカスハラの実態 都内のコンビニ店員が告白「現役世代のサラリーマンが…」品出し中に激突、年齢確認にブチ切れ、箸に”要らねえよ”
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットの幸せな日々》小室眞子さんは「コーヒー1杯470円」“インスタ映え”カフェでマカロンをたびたび購入 “小室圭さんの年収4000万円”でも堅実なライフスタイル
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン