民放主要4局には“局の顔”がいる
民放主要局には特徴や強みとなるジャンルがあり、それに合う“局の顔”として芸人が起用されています。
まず日本テレビはファミリー層や女性層に人気の番組が多く、安心して楽しめるようなムードが強みで、局の顔は『世界の果てまでイッテQ!』『THE突破ファイル』『スクール革命』『笑神様は突然に…』『うわっ!ダマされた大賞』『内村&さまぁ~ずの初出しトークバラエティ 笑いダネ』の内村光良さんと、『上田と女が吠える夜』『しゃべくり007』『Going!Sports&News』『くりぃむしちゅーの!THE☆レジェンド』『カラダWEEK』、さらに『24時間テレビ 愛は地球を救う47』で総合司会を務める上田晋也さん。内村さんと上田さんが父親のようなポジションでさまざまなタレントの魅力を引き出しています。
次にTBSは明るく元気なイメージの番組が多く、学校や職場の休み時間を思わせる気楽なムードが強みで、局の顔は『バナナマンのせっかくグルメ!!』『バナナサンド』『ジョブチューン』『クレイジージャーニー』のほか「TBS SDGs大使」を務めるバナナマンと、『オオカミ少年』『水曜日のダウンタウン』『プレバト』(MBS制作)『ドリーム東西ネタ合戦』『お笑いの日』『お笑いアカデミー賞』の浜田雅功さん。バナナマンや浜田さんが出演者と笑顔で楽しむような陽気な雰囲気を前面に出しています。
フジテレビは数々のバラエティを手がけた港浩一社長の就任後お笑い路線に回帰し、局の顔は『千鳥の鬼レンチャン』『千鳥のクセスゴ!』『酒のツマミになる話』『すぽると!』『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(カンテレ制作)の千鳥。「(ネタ以外のトークなど)平場最強」と言われる千鳥を中心にツッコミとボケの手数を増やし、「もう一度『楽しくなければテレビじゃない』というイメージで勝負」という狙いが見えます。
そして局の顔にサンドウィッチマンを選んだテレビ朝日は、もともと報道や教養系の番組が得意で、唯一全曜日のプライム帯で報道番組を放送し、バラエティでも池上彰さんや林修さんらを重用していることからもそれがうかがえます。ロケ、クイズ、教養、ドキュメントなどの大崩れの少ない保守的なジャンルが選ばれやすく、そこにフィットするのが、笑いだけでなく常識やモラルの面で安定感があるサンドウィッチマンなのでしょう。