ライフ

佐藤愛子さんがこよなく愛する北海道浦河町で『九十歳。何がめでたい』が上映 笑顔で溢れる48席の映画館「大黒座」

大黒座館主の三上雅弘さんと妻・佳寿子さん。1918年に開館し、1994年に現在の建物に。看板猫のスクの名前の由来は「スクスクと育ってくれますように」

大黒座館主の三上雅弘さんと妻・佳寿子さん。1918年に開館し、1994年に現在の建物に。看板猫のスクの名前の由来は「スクスクと育ってくれますように」

 北海道・浦河町の映画館「大黒座」で映画『九十歳。何がめでたい』の上映が始まり、連日大盛況だ。浦河は佐藤愛子さんが約50年にわたり毎夏を過ごした特別な場所で、『九十歳。何がめでたい』や『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』、そして今回の映画にも登場する、いわば聖地巡礼の舞台でもある。いざ浦河へ──。

《東京の酷暑を逃れてこの北海道、道南の別荘へ来たのは八月六日である。この家で夏を過すのは今年(2019年・編集部注)で四十五年目である。四十五年のうちで来なかった夏は二年だけで、その一年は娘の出産のため、もう一年は飼犬のタローの十九年の命が瀬戸際を迎えたためだった》(『増補版 九十八歳。戦いやまず日は暮れず』より)

 佐藤さんは1975年に北海道・浦河町に別荘を建てて以来、事情がない限り毎夏をそこで過ごしてきた。

 大黒座はそんな佐藤さんにとって、執筆の合間に立ち寄る貴重な娯楽の場だった。館主・三上雅弘さんの話。

「ひと夏の間に娘の響子さんと2〜3回はいらっしゃっていたと思います。映画館の横でクリーニング屋もやっているので、そちらの用事で先生がいらっしゃったときに映画に人が入っていないと『いまから映画をかけましょうか』なんて言って、ご覧いただいたこともありました。

 それは先生だからということではなく、『いま向かっているんだけど5分ほど遅れる』と電話が入り、映画を観ている人に事情を説明して、その人が到着したらフィルムを巻き戻して最初からかけるなんてこともありました。要するにお客がいないんです(笑い)。

『九十歳〜』の上映が決まったあと、町の人たちから『先生の映画、楽しみにしてるよ』って声を掛けられる機会が増えました」

関連記事

トピックス

殺人と覚醒剤取締法違反の罪に問われた須藤早貴被告
「収入が少ない…」元妻・須藤早貴被告がデリヘル勤務を経て“紀州のドン・ファン”とめぐり会うまで【裁判員裁判】
NEWSポストセブン
水原被告の量刑は大谷次第か
【勝負は10月25日】大谷翔平、悲願のワールドシリーズ初日に水原一平被告の判決 量刑は大谷の意見陳述書次第、厳罰を望むか温情をかけるか
女性セブン
シンガーソングライターとして活動する三浦祐太朗(本人のインスタグラムより)
【母のファンに迷惑ではないか】百恵さん長男の「“元”山口百恵」発言ににじみ出る「葛藤」とリスペクト
NEWSポストセブン
中山秀征にいじられた柏木由紀(時事通信フォト)
《すがちゃん最高No.1と熱愛》柏木由紀、事務所の大先輩中山秀征の強烈イジリ「ラブ&ゲッチュ」に体くねらせて大照れ
NEWSポストセブン
交際中の綾瀬はるかとジェシーがラスベガス旅行
【全文公開】綾瀬はるか&ジェシーがラスベガスに4泊6日旅行 「おばあちゃんの家に連れて行く」ジェシーの“理想のデートプラン”を実現
女性セブン
幕内優勝力士に贈られる福島県知事賞で米1トンが
「令和のコメ不足」の最中でも“優勝したら米1トン”! 大相撲優勝力士に贈られる副賞のコメが消費される驚異のスピード
NEWSポストセブン
愛子さま
愛子さま、日赤への“出社”にこだわる背景に“悠仁さまへの配慮” 「将来の天皇」をめぐって不必要に比較されることを避けたい意向か
女性セブン
羽生結弦(時事通信フォト)の元妻・末延麻裕子さん(Facebookより)
【“なかった”ことに】羽生結弦の元妻「消された出会いのきっかけ」に込めた覚悟
NEWSポストセブン
目覚ましテレビの人気コーナー「きょうのわんこ」(HPより)
『めざましテレビ』名物コーナー「きょうのわんこ」出演犬が“撮影後に謎の急死”のSNS投稿が拡散 疑問の声や誹謗中傷が飛び交う事態に
女性セブン
シャトレーゼのケーキを提供している疑惑のカフェ(シャトレーゼHPより)
【無許可でケーキを提供か】疑惑の京都人気観光地のカフェ、中国人系オーナーが運営か シャトレーゼ側は「弊社のブランドを著しく傷つける」とコメント 内偵調査経て「弊社の製品で間違いない」
NEWSポストセブン
神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝『旅サラダ』残り2週間》謹慎中のKAT-TUN中丸雄一、番組復帰の予定なしで「卒業回出演ピンチ」レギュラー降板の危機も
NEWSポストセブン
小泉進次郎氏・滝川クリステル夫妻の出産祝いが永田町で話題
小泉進次郎夫妻のベテラン議員への“出産祝い”が永田町で話題 中身は「長男が着ていたとみられるベビー服や使用感のあるよだれかけ」、フランス流のエコな発想か
女性セブン