すでに2回出演した4組の共通点
ちなみにK-POPグループはこれら以外でもLE SSERAFIM、ILLIT、TWS、Kep1er、BABYMONSTER、BOYNEXTDOORなどが出演しました。これは10代・20代に向けて「毎週K-POPが聴ける番組」という印象を付けたいのではないでしょうか。
さらに「結果がよかったグループは短いスパンでオファーを出していく」こともベースの1つ。スタートから約5か月間でBE:FIRST、Number_i、NiziU、NewJeansは2回出演していますが、いずれもファンの熱狂度が高く、SNSの動きが活発なことで知られているアーティストです。その意味で近いうちにJO1、INI、ME:I、&TEAM、SixTONESなどの再出演もあるかもしれません。
ただ、そもそもMCに現在55歳で報道番組の印象が強い有働由美子さん、アーティストナビゲーターに音楽活動こそしているものの俳優の印象が強い37歳の松下洸平さんを据えた以上、2人を生かすためには若手アーティストに偏り過ぎずバランスの良いキャスティングがベターでしょう。
K-POPを含む若手アーティストをベースにしながら、いかに中堅・ベテランのアーティストを絡めて、10代・20代だけでなく30代・40代にもリーチしていくのか。ライブをベースにしながら、いかにトークや映像特集、あるいは別の企画を絡めてオリジナリティを感じさせられるか。
日本テレビはマーケティングに長けているからこそ、他局を参考にするほど似ている番組になりやすいだけに、スタッフの力が試されています。まずはスタートから1年となる来春の改編に向けて秋冬の結果が重要なだけに、さらなる試行錯誤が見られるのではないでしょうか。
【プロフィール】
木村隆志(きむら・たかし)/コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』『どーも、NHK』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。