事件当日ディスコイベントに参加していた被害者。そのまま事件が起きたホテルに向かったと見られる(写真右)

事件当日ディスコイベントに参加していた被害者男性。そのまま事件が起きたホテルに向かったと見られる(写真右)

明らかになった事件前後の猟奇的なLINEやりとり

 ところが今回の法廷では、浩子被告が事件前後、夫である修被告に送ったLINEが明らかになった。事件が起きたのは2023年7月1日の夜であるが、それより10日以上前の同年6月19日、浩子被告は修被告にこんなLINEを送っていたという。

〈鹿がいるかクラブに潜入することは可能か〉

 検察側はLINE履歴だけでなく浩子被告のスマホの“入力履歴”も明らかにした。一度入力したのちに削除した単語や文章なども解析できるのだという。証拠によれば、この被害者を指しているであろう〈鹿〉という単語は書き換えられた後のもので、書き換え前は〈獲物〉と入力していた。〈獲物〉が何を指すのか、なぜ〈鹿〉に書き換えたのか、その意図は不明である。

 LINE履歴や文字入力履歴から、事件直前である2023年7月1日午後6時半にも、浩子被告は修被告にこうLINEしていたこともわかった。

〈そういえば車のGPS記録は残りますか?〉

 このLINEを浩子被告はなぜ削除したのか、今後の公判で語られることだろう。

 さらに今回読み上げられた検察側の証拠では、修被告が犯行に用いられた刃物や道具を購入していたこと、瑠奈被告と修被告がDVDレンタル店でホラー映画を2本レンタルして視聴していたこともわかった。

後編に続く

◆取材/高橋ユキ(ジャーナリスト)

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