シニアだと意識するとリミットをかけてしまう
「知らないことがわかると、細胞まで喜んでいるような、全身が満ち足りた気分になります。
還暦を迎えたので、最近はよく年齢の話題になりますが、私自身は気にしたことがないんですよね。私にとって年齢って、社会が勝手に教えてくれるもの、というイメージ。ちょうど先日も映画を見に行ったら受付のかたが“60才以上はシニア割になります”と教えてくれました。割引はうれしいのですが、そのとき、“私はもう、シニアなんだ”と気づかされました。
言葉ってとても重要で、“シニアだ”と意識すると、自分にリミットをかけてしまう。だから私は、好奇心の赴くまま、いつまでも挑戦し続けられるよう、年齢にとらわれないようにしています」
自分にリミットをかけずに、やってみたいことはやってみるという磯野。
この夏には野鳥を見に、山梨県の大菩薩嶺(標高2057m)の登山にも挑むという。
「いまは多くの高齢者が登山を楽しんでいますしね。初登山の不安より、どんな鳥に出合えるだろうかとワクワクしています。いつか野鳥の宝庫といわれる南米のコスタリカにも行ってみたいですね」
好きというのは、強い力を持っているのだという磯野。発端は鳥を見て愛で、さえずりを聞いて癒されることだったが、いまや一眼レフでの撮影から登山までこなす。何才だろうが年齢を気にせず、好きに全力になる。それこそ、磯野流の生き方であり、若々しさの秘訣なのだろう。
(了。前編を読む)
【プロフィール】
磯野貴理子(いその・きりこ)/1964年三重県生まれ。1987年にバラエティー番組『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)で5代目「いいとも青年隊」(初代「いいとも少女隊」)を務めた後、バラエティー番組などで活躍。現在は『はやく起きた朝は…』『ホンマでっか!?TV』(共にフジテレビ系)、『行列のできる相談所』(日本テレビ系)などにレギュラー出演中。中国語検定「HSK」2級、書道7段、珠算1級などを保有。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2024年9月12日号