2024年3月、内部告発文書が報道各社などへ送付されたことをきっかけに露見した、兵庫県・斎藤元彦知事に関する疑惑の数々。県議会調査特別委員会(百条委員会)による非公開の証人尋問や、県議会文書問題調査特別委員会によるアンケート調査などによって、いままでは伏せられていた実態が明らかになりつつある。臨床心理士の岡村美奈さんが、斎藤知事のパーソナリティーについて分析する。
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兵庫県の斎藤元彦知事に関する数々のエピソードが続々と表沙汰になってきた。内部告発を受け、県議会調査特別委員会が斎藤知事の尋問を行ったのだ。告発文書にあった内容だけでなく、「百条委員会」が県職員らに行ったアンケート調査の結果も、兵庫県議会のHP上で「兵庫県職員のアンケート調査」中間報告として公開されている。。回答数は4568件、そのうち約4割の県職員が知事のパワハラなどを見聞きしていたという。
これに対して斎藤知事は「県政をよりよくしていくと3年間、必死でやり、必要な指示や指導をしたが、これだけ多くの職員が回答している事実に接し、大変残念な思いだ」と語っている。だが公開されているアンケート調査の回答の中には、驚くような内容がいくつもあった。その一部、知事のパワハラやおねだりに関するエピソードが、NEWSポストセブンの一連の記事に載っている。
「カニ独り占め」「”40万円相当の革ジャン”を試着して」「職員はアメ玉ひとつ貰えない」というおねだり体質の他に、公開されているコメントには、「知事がロードバイクに乗りたいというので、某企業が寄贈した」「養殖海苔の視察で大量の海苔を持ち帰った」「ネクタイを試着してそのまま帰った」というものまである。こういくつものエピソードが並ぶと、おねだり体質やパワハラと周りから思われてきたのも無理はない。
記事では、在阪マスコミ関係者が「“ナルシストぶり”に言及する記述が多い」と指摘している。そう言われて記事にあった知事のSNSの写真をよく見ると、確かに写真の多くは知事の顔にピントが合っていて、紹介すべき商品などは二の次になっている。商品名が光って見えなかったり、知事の顔の方が大きく映っていたり、訪問先の人物が見切れてしまっているという写真もあった。あくまで主役は知事で、商品などは脇役のようだ。