「月額2980円(税別)」という低価格を武器にして一気に会員数を増やしジム業界のトップに躍り出た、RIZAPが展開する初心者向けコンビニジム「chocoZAP」。その価格を維持するために、テクノロジーなどを駆使してコスト削減に向き合っている。後編では引き続き、「chocoZAP」が“異次元の低価格”をどのように実現しているのかについて探っていく。【前後編の後編。前編から読む】
「chocoZAP」は今年5月頃、大規模な海外出張を行った。選抜メンバー約100名を6チームに分けて、それぞれ3泊4日もしくは4泊5日で出張を実施したため、その期間は約1か月に及んだ。中国で開催された見本市を訪れるためだ。その期間、RIZAPグループ株式会社の代表取締役社長・瀬戸健氏も中国に滞在していたという。
コスト削減にこだわっているはずの「chocoZAP」が、なぜ100人もの大規模な海外出張に踏み切ったのか? 同グループの執行役員である木村仁美氏は、「かかる費用以上の効果を見込んだからです」と語る。
木村氏は、大手100円ショップを運営する企業に新卒で入社し、バイヤーとしてキャリアを培った。2017年に同グループに入社して、昨年から「chocoZAP」事業における調達業務の責任者を務めている。100円ショップ企業の経験者だけに、調達コスト削減はぴったりの仕事に見える。そんな彼女が、年初に瀬戸社長から「100人規模で海外出張に行きたい」と伝えられたときは、てっきり冗談だと思っていたという。