県職員の一人は斎藤知事についてこう漏らす。
「とにかくもう、知事は誰がなにを言っても聞かへんのです。支援者が陳情で連絡しても『要件はなんですか。LINEでお願いします』とあしらわれる始末ですよ」
何を言われても気にしない“無敵の性格”だけでも強力だが、知事は“無敵の権限”を持っているからさらに厄介だ。
「百条委員会は12月までに報告書をまとめるというが、その結果パワハラと判定されても法的拘束力があるわけではない。本人が自ら意思表明しない限り辞職とはなりません」(前出・全国紙記者)
「不信任決議」と「議会解散」のチキンレース
仮に自ら辞任しなかった場合でも、制度的に辞職に追い込む方法は存在する。神戸学院大の上脇博之教授はこう語る。
「知事を解職させる手段には、県議会による不信任決議の可決と住民によるリコール(解職請求)の2つがあります」
とはいえ、不信任決議が可決されても、すぐに「辞職」とはならない。
可決後、知事は10日以内に「議会を解散する」権限を持つからだ。県議たちには、自らが任期途中で地位を失うリスクを背負う覚悟が求められる。
「不信任決議を出すなら議会を解散するぞと、知事は匂わせることができる。互いの覚悟を試すチキンレースのようなもの。他党が辞職を求めるなか、維新の会の動きが鈍かったのは多数の議席を持っているため。そう簡単には意見がまとまらないはずです」(東国原氏)