一体、どんなメンタルの持ち主なのか……。パワハラ疑惑で追及される斎藤元彦・兵庫県知事だが、議会やメディアの前で臆せずに自身の正当性を主張し、県民の声や世間の批判に耳を貸す様子もない。本人の意思以外に“無敵の人”を辞めさせる方法はないのか?
「まさに鉄面皮の男です。県職員の4割近くがパワハラを見聞きしたと回答していますが、知事が在任中に接する職員は4割もいれば多いくらい。関わったほぼ全員がパワハラを見聞きしていたのかもしれません」
そう語るのは、2007~2011年に宮崎県知事を務めたタレントの東国原英夫氏(66)。斎藤知事の疑惑は日に日に注目を集め、県議会が実態調査のため設置した調査特別委員会(百条委員会)でのやり取りが世間を賑わせている。
斎藤知事は反省を口にしつつも一貫して「必要な指導だと思っていた」などと自身の正当性を主張。公務で訪れた博物館で、玄関の20メートルほど手前で公用車を降ろされ、怒鳴り散らした件についてはこんな具合だ。
「歩かされたことを怒ったのではなく、円滑な車の進入経路を確保していないことを注意した」
パワハラ証言はどんどん増え、県職員アンケートの中間報告には、実態を見聞きした事例が多く記されている。どれも大人げない言動を報告する証言ばかりだ。
〈意に沿わないレク内容に対し「むかつく」を何度も言われた〉
〈学生がエレベーターのボタンを押し間違えて不機嫌になった〉
〈「更衣室に用意するハンガーは木製に限定」「飲み物は冷水。ペットボトル不可」〉
斎藤知事は県が発行する告知ポスターに自身の顔写真がないことを激怒したと伝えられているが、広報用うちわでも同じことが起きていたようだ。職員が写真のないうちわの資料を見せると、
〈知事から舌打ちと大きなため息があった〉〈これは私の肝いりの事業だ。(知事の)顔写真やメッセージを入れて欲しい〉
そう言われ、追加発注を余儀なくされたとある。だが、これらが辞職に直結するとは言い難い。
「発端となる告発文書を作成した局長が自殺に追い込まれた疑いがある問題を除けば、その他はパワハラと認定される深刻な事案かも線引きが難しいところでしょう。いま話題の職員アンケートの回答は人づてに聞いた内容も多い」(全国紙記者)