総理の「ブレーン」に!?
では、もし進次郎氏が総理に就任したら、彼女はどんなファーストレディになるのだろうか。
「首相夫人」のスタイルは2種類ある。夫を陰で支える「内助の功」タイプと、自分独自の主張を持って活動するタイプ。後者には社会活動家として知られた三木武夫・元首相夫人の睦子さんやアッキーこと安倍昭恵夫人がいる。
とくにアッキーは、「家庭内野党」を自称し、「首相になると『違う』と言える人は少なくなるので、こんな意見もあると伝えたい」と消費税増税に反対したり、医療用や祈祷用の大麻解禁を主張して物議を醸した。
外交でも独自の行動を取った。
ファーストレディ外交といえば、サミットなど夫の外遊に同行し、首脳夫人のために組まれた視察プログラムなどに参加するものだが、アッキーは政府行事ではない民間の日米国際海洋環境シンポジウムを主催してハワイを訪問。シンポジウムで代表を務めたほか、アリゾナ記念館で真珠湾攻撃の戦没者に献花するなど独自の行動をとって国会で問題化した。
動物愛護運動家の滝川もアッキー以上の「行動するファーストレディ」となる素質は十分だ。
日英仏3か国語を操り、「通訳なしで夫人外交ができるのでは」と見られており、「各国の音楽家など、アーティスト関連の人脈が広い。かといってアッキーのように“誰とでも仲良くなる”という危うさはなく、東京五輪の誘致活動で見せた“お・も・て・な・し”のようにTPOを心得ながら印象に残るアピールができる人物」(政府関係者)と評価が高い。
一方で、進次郎氏が環境相時代に手がけた動物愛護法の改正では、「夫人がブレーンになっていたのではないか」という見方があった。
政治評論家の伊藤惇夫氏はこう言う。
「進次郎政権ができれば環境政策や来年予定されている動物愛護法改正にファーストレディの考えがもっと反映されるかもしれない、という警戒の声もあるようです。元キャスターだけに発信力もある滝川さんは、昭恵夫人を超える“物言うファーストレディ”になるのではないか」
本人の意思はともかく、発信力が強いだけに周りが放ってはおかないようなのだ。
進次郎総理が誕生した時、「新しいファーストレディ像」は国民にどのように受け止められるのだろうか。
※週刊ポスト2024年9月20・27日号