電車内は家の中とは違うということを、親が子どもにしっかり言って聞かせる必要があります。大人同士でもストレスから言い争いをしている例をよく見ますから、子どもがその標的にならないとも限らないのです。
とくに小学生が塾からの帰りに電車に乗っていたりすると、学歴コンプレックスを 持っているような大人から嫌がらせを受けるかもしれません。子どもを痛めつける犯罪の場合には、学歴コンプレックスは動機になります。2001年に大阪で起きた小学生無差別殺傷事件は、優秀な児童が集まるとされる学校が標的にされました。
犯罪の動機には、精神的なものと物質的なものがあります。物質的なものとは、お金欲しさに行う犯行です。精神的なものとは、嫉妬です。人間がいくら物質的に豊かになっても、嫉妬の感情はなくなりません。学歴、容姿、会社での地位などがその理由になります。そうしたストレスのはけ口として向かいやすいのが子どもだということです。大人に対しては暴力をふるえない人でも、子ども相手なら勝てるからです。
電車内でものを食べたり、化粧をしたり、爆睡するなどして、家の中と同じようにして過ごしている大人はいまだに多く見られます。親は公共の場では油断しないで、常に警戒心を怠らない態度を、率先して子どもに見せることが必要です。