1.歩く側を変える(道の右側を歩いていたら左側に、左側を歩いていたら右側へ)。後ろから来る人も歩く側を変えたら、再び左右を変える。それでも相手が左右を変えたら110番通報する。
2.歩く速度を変える。しばらく早歩きして、後ろから来る人も等間隔でついてきたら、小走りする。それでも相手が等間隔でついてきたら110番通報する。
3.安全な場所で立ち止まる。立ち止まった場所で電話をするふりをして(実際は電話せず、いつでも110番通報できる態勢をとる)相手の様子を観察する。大きな声で「待ち合わせの場所に着いた」と電話口で話しながら、後ろから来た人を先に行かせる。相手も立ち止まったら110番通報する。
こうした指導をすると、「そんなに簡単に110番していいのですか」という人が多いのですが、まったく問題ありません。緊急性のある通報に対して、警察が問題視することは絶対にありませんから安心してください。
子どもにも、こういう状況でこういう行為をした人がいたら、躊躇なく通報していいのだと教えてあげてください。真面目な子ほど110番をするハードルが高くなってしまっていますが、躊躇して犯罪に巻き込まれては意味がありませんから、こういうときこそ110番してほしいと警察は考えているのです。
【プロフィール】 小宮信夫(こみや・のぶお)/1956年。東京生まれ。立正大学文学部教授(社会学博士)。ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者でもある。現在、警察庁「持続可能な安全・安心まちづくりの推進方策に係る調査研究会」座長、東京都「地域安全マップ指導者講習会」総合アドバイザーなどのほか、全国の自治体や教育委員会などに、子どもを犯罪から遠ざける防犯アドバイスを行なっている。『犯罪は予測できる』(新潮社)など著書多数。
※小宮信夫・著『子どもは「この場所」で襲われる』をもとに再構成