「上川氏は3回あった法相在任中、計16人の死刑囚に対し、執行命令を下しています。これは法務省が1998年11月から死刑執行の公表を始めて以降、最多です。上川氏はただでさえ重い死刑執行の判断という職責を数多く果たしたのみならず、地下鉄サリン事件をはじめとする未曾有のテロを実行したオウム真理教の確定死刑囚に対する刑の執行を決断したのです。
オウム真理教の死刑囚に対する刑の執行は、オウム関係者からの報復を招きかねない。通常、閣僚の任を離れ、党の要職にでも就かない限りはSP(セキュリティーポリス)の警護対象から外れますが、上川氏にはSPが法相離任後も警護を続けていて、永田町では『生涯SP付き』とも言われています」(前出・政治部記者)
そうした決断を毅然とやってのけたことから、「胆力がある」「腹が据わっている」などと自民党内で上川氏の評価は急上昇し、「初の女性首相」候補の一群に名を連ねるようになった。
昨年9月には、女性では約20年ぶりとなる外相に就任し、外交デビューを果たした。上川氏の仕事ぶりについて、麻生太郎副総裁は「このおばさん、やるねえ」と持ち上げ、「そんなに美しい方とは言わないけれども、堂々と、英語もきちっと話をして、自分でどんどん会うべき人たちの予約を取る。あんなふうにできた外相は今までいない」と評価した。容姿に言及した麻生発言は批判を浴びたが、その手腕を認めての言葉に、上川氏は「ありがたく受け止めております」と返した経緯がある。