1トンが2か月でなくなる!?
福島県知事賞は、赤べこ特製トロフィーの横に「米俵」がドンと置かれ、「天のつぶ」と書かれている。この福島産のブランド米が、副賞として1トン贈られるのである。
ようやく新米が出回り始めたものの、世間はまだまだコメ不足に悩まされている。そうしたなかでの「優勝の副賞で米1トン」が注目を集めるのは当然だろう。現地では「米1トンって何合?」「相撲部屋だとどのくらいもつの?」といった話でファンたちが盛り上がっていた。
1トンは約6667合と換算される。一人暮らしで1日2合炊いている人を想定すると、1トンは10年分近い量となる。しかし、そこは相撲部屋。事情はだいぶ違ってくる。協会関係者が言う。
「相撲部屋は44あり、1部屋平均約15人の力士が所属している。そうした平均的な規模の部屋が1食に炊くコメの量は大体5升(7.5キロ)ほど。昼と夜の2食だと1日に15キロ、1か月で450キロを消費していることになる。
つまり優勝の副賞となる1トン分という大量のコメも、相撲部屋では約2か月分にしかならない。とはいえ、この令和のコメ不足の状況下では、どの部屋も副賞としてコメがもらえてありがたいのはたしか。優勝争いを引っ張る関脇・大の里は5月の夏場所も制しているが、2度にわたり大量のコメを手に入れれば、部屋の運営に相当貢献しているという話にもなってくる」