取り調べには黙秘を貫いているそうだ。事件の全容解明は難航するだろう。
山口組は10年に及ぶ分裂抗争を、力によって終結させようとしているように見える。勢力差はもはや圧倒的で、勝負は付いたも同然だ。ただし、今後の展開は依然として不透明である。
「強く出すぎれば、相手も頑なになる。山口組のトップ(司忍組長)や高山清司若頭は、高齢であまり時間がない。断固として解散はしないと居直られれば、山口組にとってもいいことではない」(警察関係者)
進めず、戻れず、立ち止まれず。山口組と対立組織双方の苦悩は続く。
【プロフィール】
鈴木智彦(すずき・ともひこ)/1966年北海道生まれ。フリーライター。日本大学芸術学部写真学科除籍。ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めた後、フリーに。主な著書に『サカナとヤクザ』『ヤクザときどきピアノ』など。
※週刊ポスト2024年10月4日号