国内

《入居一時金が億単位のことも》「超高級老人ホーム」に住むのは幸せなのか?「入居者主体の管理組合が入居希望者を選別」「ハリボテの高級感」…桃源郷とはほど遠い現実

「超高級老人ホーム」は何が違う?(イメージ)

「超高級老人ホーム」は何が違う?(イメージ)

 3食完備のレストランから大浴場、遊技場に売店まで「至れり尽くせり」を売りにする超高級老人ホーム。だが、そこには桃源郷とはほど遠い現実があった。『ルポ 超高級老人ホーム』(ダイヤモンド社)の著者でノンフィクションライターの甚野博則氏が明かす。

 * * *
 入居一時金が数千万円から高いところでは4億~5億円。月々の支払いも50万円超というケースがザラにある超高級老人ホームは、往々にして一流ホテルと見紛う広々としたエントランスがあり、受付には24時間コンシェルジュが待機している。

 温泉を引いた大浴場、シアタールームやジムなどはもちろん、フレンチのフルコースが提供されるレストランや、有名店の職人が出張で寿司を握りに来る和食店が入っていることも珍しくない。海沿いの施設ともなれば、100平米超の部屋が全室オーシャンビューというケースもある。

 入居一時金が1億~4億円という都内のある高級施設では、これまで某大手化学メーカーの元社長、某鉄道会社取締役、元国立大学学長、有名声楽家など錚々たる地位と名誉を持つ人々が入居してきた。

 この施設のスタッフは、「入居希望者には資力はもちろん、『品格』が求められます」と語っていた。

 財力は当然、品格も備えているであろうセレブな入居者たちには、もうひとつ付け加えるべき特徴がある。それが「体力」だ。

 一般的な老人ホームは、在宅介護では対応できなくなった高齢者が家族の要望で“入居させられる”イメージだが、超高級施設は違う。入居者は自らの意思でその施設に入り、かつ元気だ。前述した都内施設では、入居者の平均年齢は85歳。大半が要介護認定を受けていない。キャリーケースを引いて海外旅行に飛び回る入居者もいる。

 ここに高級施設特有の厄介な問題が内包されている。

 東海地方のある施設では入居者たちが主体となった「管理組合」が組織されていた。メンバーには理事長、副理事長、監事などの肩書きが振られている。

 豪華なシャンデリアがぶら下がった応接室に集った管理組合のお歴々は、聞いてもないのに、「自分は○○企業の元取締役」「彼は霞が関の元官僚」など、過去の輝かしい経歴を披露してくる。

関連記事

トピックス

SAGAスタジアムで国民スポーツ大会を観戦する愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、初の単独公務で佐賀県へ 手漉き和紙工房では「紙、できてます?」 国スポや佐賀城もご見学し、刺激と感動たっぷりの2日間 
女性セブン
物議を醸した兵庫県の風俗店に勤務している女性(Xより)
《批判殺到でX投稿を削除》しゃぶしゃぶ店で丸出し女性が〈どっち食べる〜??〉ニットたくし上げ胸露出 店舗側は「法的措置も含め厳正に対応する所存」
NEWSポストセブン
かつて「週刊ポスト」に“アイドル愛”を熱量高く語ったことも
キャンディーズ、麻丘めぐみ、岡田奈々…石破茂首相が『週刊ポスト』で語った“私が愛したアイドルたち” 「売れていない時代に一生懸命応援する」のが真骨頂
週刊ポスト
急逝した俳優の西田敏行さん
晩年は病魔と闘う日々だった西田敏行さん「どう命をたたむか毎日考えている」「死を考えることが幸せ」東日本大震災で紡ぎ出された独特の死生観 
女性セブン
近藤真彦×三原じゅん子 還暦を迎えた2人のスペシャル対談!
【対談・近藤真彦×三原じゅん子】“金八”時代を振り返る「生徒役の中でもずば抜けて美人で“あのにおい”にやられてしまった」
女性セブン
シャンパンファイトでクレイトン・カーショー投手と肩を組んで満面の笑みの大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、初のポストシーズンで“感情爆発”シーン カーショーと肩を組み満面の笑み、カメラに向かって大口を開けてニコニコ顔も 
女性セブン
経営者の”ズンちゃん”ことズオン・ティ・ミン・ホン容疑者(28)。20代にしてやり手の女社長だ
《ベトナムガールズバー摘発》28歳美人社長”ズンちゃん”はクルーズ楽しむほどの羽振り アオザイ着たキャストの“おねだり営業”で4億円以上売り上げ
NEWSポストセブン
どんな内容なのか?(元テレ東・池谷実悠アナのファンクラブサイトより)
元テレ東・池谷実悠アナ、月額2.7万円「超高額ファンクラブ」のスゴい特典内容 会員の名前を呼ぶ「メッセージ動画」も
週刊ポスト
旧5人のメンバー。左から石崎琴美、吉田知那美、吉田夕梨花、鈴木夕湖、藤沢五月(時事通信フォト、Loco Solare)
《消えたロコ・ソラーレ功労者の現在》“切実な事情”でチームを去ったメンバーがカーリング離れて「病院勤務の専属職員」に転身
NEWSポストセブン
10月17日、東京・世田谷区の自宅で亡くなった西田敏行さん
誰からも愛された西田敏行さん 大御所然としたところはなく誰に対しても物腰柔らか「ご近所さんから講演を頼まれてもふたつ返事でOK」 
女性セブン
失踪報道が出たピーコ
《おすぎとピーコの老老介護その後》荒んでいった生活…ピーコさん「おすぎとは違う施設に」と望んだ理由
NEWSポストセブン
急逝した俳優の西田敏行さん
西田敏行さん急逝 外出中に一報を聞いた妻は「自宅にいれば…」と憔悴 来年1月期にはドラマ出演も決まっていた 
女性セブン