自民党総裁選が終わり、永田町の住人たちは早くも「解散・総選挙」シフトの様相だ。しかし、自民党の「顔」が石破茂・新総裁に代わったことに騙されてはいけない。「裏金問題」や「旧統一教会問題」は全容解明にはほど遠い状況で、頬被りをしたまま次の選挙に臨もうとする候補者が大勢いるのだ。審判を下すにあたって、有権者はそのことを決して忘れてはならない。【前後編の前編】
国民を2度騙すつもりか
「ボロが出る前にやってしまえ」とばかりに、自民党は解散・総選挙に動き出した。10月1日召集の臨時国会で首班指名した後に衆院を解散し、最短で10月27日投開票の総選挙も検討されているという。有権者に「考える時間を与えない」作戦だ。
3年前の総選挙も自民党はそのやり方でまんまと批判を乗り切った。コロナ失政で支持率が急落した菅義偉氏から岸田文雄氏へと“表紙”を代えると即解散・総選挙を打ち、勝利したのだ。だが、有権者は2度も続けて騙されない。
今回の総選挙で問われるのは、「派閥の裏金問題」と「旧統一教会との関係」というこれまでの自民党政治そのものへの審判になる。
自民党は裏金問題で派閥からのキックバックを政治資金収支報告書に記載していなかった85人の議員・元議員を公表し、旧統一教会問題では党内調査で教団と接点があった180人のうち125人の実名を明らかにした。
いずれも総選挙で有権者の厳しい批判を受けることになるが、中には、裏金問題と旧統一教会問題それぞれに主導的役割を果たしたり、問題発覚後も反省なく責任逃れに走ったりするなど、責任が重い政治家たちがいる。
そこで本誌・週刊ポストは、裏金問題を告発した憲法学者の上脇博之・神戸学院大学教授と、旧統一教会と政界との繋がりを追及してきたジャーナリスト・鈴木エイト氏に、国民の重大な審判が下されるべき政治家をリストアップしてもらった。