●「知らぬ存ぜぬ」で逃れた安倍派幹部たち
裏金問題をめぐる国会の政治倫理審査会では、塩谷立・元文部科学相、高木毅・前国会対策委員長、松野博一・前官房長官、西村康稔・前経済産業相、下村博文・元文科相、武田良太・元総務相ら安倍派と二階派の幹部たちが「知らぬ存ぜぬ」とシラを切り通した。
裏金事件の公判では、安倍派の元事務局長が裏金のキックバックを再開した経緯について、「2022年8月の幹部会合で還付再開が決まった」と証言し、安倍派幹部たちの政倫審での証言に一層疑惑が深まっている。
「派閥の職員(元事務局長)に法的責任を押し付け、自分たちは関与してない、の一点張り。本当に何も知らないのであれば、キックバックについて自ら情報収集するなど、実態解明のため動くのが筋でしょう」(同前)
裏金発覚後、宛名のない領収証を提出
●裏金を「使途不明」で処理した議員
裏金の使途について不透明な処理をしたのが高木氏、萩生田光一・前政調会長と杉田水脈氏らだ。
萩生田氏は裏金2728万円を事務所の机の引き出しなどに現金でプールしていたと説明したが、修正した政治資金収支報告書でもその使途を説明できずに「不明」としてきた。高木氏も同じだ。杉田氏は裏金発覚後、スナックや居酒屋、カレー屋などの宛名のない領収証を提出して修正した。
「政治資金として報告できないから、『机の中にしまっていた』ことにしたと疑われても仕方がない。納得のいく説明がなされなければ、裏金の残金が議員の懐に入った疑念も浮上する。杉田氏のように、あり合わせの領収証で訂正報告して辻褄を合わせたようにしか見えない議員もいた。こんな訂正では疑惑を晴らしたとは言えない」(同前)