上脇教授が指摘 責任が重い「裏金議員」
二階氏の後継者の同僚秘書が有罪
自民党は不記載の金額で処分に軽重をつけたが、責任の重さは金額だけでは決まらない。上脇氏の判断のポイントは、
【1】立場上、責任を負うべきなのに逃げた政治家
【2】重大な説明責任があるのに果たそうとしない政治家
【3】違法性の疑いが高い行為を行なった政治家
【4】問題発覚後も誤魔化そうとした政治家
の4つだ。
●“トカゲの尻尾切り”で責任を免れた派閥会長
裏金事件で最も責任が重いはずの「裏金を配った側」の派閥会長たちは頬被りしている。
岸田派会長だった岸田氏は自身の処分を不問にし、本誌が報じた「総理大臣就任を祝う会」の“脱法パーティー”の問題【※】でも責任を厳しく問われる立場だ。二階俊博・元幹事長は次期衆院選に出馬しないと表明したことで処分を免れた。
【※2022年6月に岸田氏の地元・広島で開催された「総理大臣就任を祝う会」が、実質的に岸田事務所の仕切りで運営された資金集めパーティーだったにもかかわらず、形式的に任意団体の主催にし、岸田氏の政治資金収支報告書に収支を記載しない“闇パーティー”としていた疑惑】
「派閥会長は裏金を知らなかったという態度ですが、派閥は登録された政治団体であって、組織のトップの会長には当然結果責任が生じる。それなのに党内処分さえ免れている。2人の政治責任に最終的な審判を下せるのは有権者ということになる」(上脇氏)
ただし、二階氏は政界引退し、次の総選挙には三男で秘書の伸康氏が出馬を表明している。「代替わり」で裏金批判をかわそうというわけだが、“息子は裏金に無関係”とは言えない。
二階氏は派閥パーティー収入のうち3526万円を自身の資金管理団体の政治資金収支報告書に記載せず、“裏金”にしていた。そのため、派閥の会計責任者とは別に二階氏の元秘書も立件され、有罪が確定した。
「二階氏の後継者の伸康氏は元公設秘書で事務所の責任者の立場にあった。同僚の元秘書が有罪確定していることから考えても、裏金問題について有権者に説明する責任を負う立場です」(同前)