1980年代に女子プロレス旋風を巻き起こしたダンプ松本の知られざる物語を描くドラマ『極悪女王』(Netflix)。体重を約40㎏増量したダンプ役のゆりやんレトリィバァ(33)、ライバル「クラッシュギャルズ」の長与千種を演じた唐田えりか(27)、ライオネス飛鳥役の剛力彩芽(32)らの演技に大きな反響が寄せられた。撮影現場はどんな様子だったのか。ダンプや長与の1年先輩のミネルバ葉子役を演じた女優の花屋ユウ(30)にインタビューした。
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花屋が出演するきっかけとなったのはアクションの経験を見込んだ所属事務所の社長でタレント・小阪由佳の「絶対にオーディションに参加しなさい」との勧めだった。見事に役を勝ち取り、出演したのは全5話のうち1~3話。約4か月間にわたる撮影だったが、クランクイン時にゆりやんや唐田らのプロレスの演技はすでに“仕上がっていた”という。
「撮影前から身体作りとプロレスの特訓をされていたので、皆さん完全に役に入り込んでいました。私は途中からキャストに選んでいただいたし、女優としてのキャリアも浅い。その焦りはありました。最初のシーンは全女(全日本女子プロレス、劇中では「全日女子プロレス」)の新人オーディションに先輩として立ち会うシーンでしたが、私自身もオーディションに参加しているような緊張感がありました」(花屋、以下同)
撮影中、花屋にとって最も過酷だったのは「太ること」だった。
「私は駆け出しの女優で、コロナ禍だった撮影当初はお金がなくて満足に食べられなかった。加えて副業でウーバーイーツの配達員のアルバイトをしていたんですが、これが“いい運動”になって痩せてしまった。社長(小阪)からは『もっと役に沿って身体を作りなさい。プロでしょう』と活を入れられ、大量のお米とプロテインを自宅に送っていただきました。毎日無理をしてでも食べるようにして、なんとか身体を大きくしていきました。私ですらこんなに大変だったので、モデルのお仕事もされていた唐田さんや剛力さんは『太る』というメンタルの面も含めて相当の覚悟と苦労があったと思います」