長い脚を組んでいすに座っていたオーラはいまでも覚えている
“イケオジ”というよりは“二枚目”とか“ハンサム”という言葉がピッタリで、常にトレンディーで、共演者を気遣い、ゲストとのちょっとしたエピソードを覚えていらして番組で紹介するような優しさを持っている神田サン。そして常にダジャレを欠かしませんでした。
不思議なもので、それも“親父ギャグ”と疎まれることがなく、「出ました!」と共演者や視聴者に歓迎された神田サン。本当に愛されるMCだったのです。
個人的には、新卒で就いたTBS954キャスタードライバー時代、神田サンと同窓の先輩が「神田くん」呼びをしていて、一緒にスキーに行った写真を見せてくれたり、「約束の時間に来ない神田くんの家まで迎えに行って、みんなで部屋の窓に小石を投げて起こした」という学生時代ならではのエピソードを聞いたりしたことが懐かしいです。
私が30代の頃、神田サンと同じ「石原プロモーション」に所属していらした峰竜太サン(72才)の帯ラジオ『峰竜太のナンデモアルキメデス』(ニッポン放送)に出させていただいていたとき、スタジオに神田サンと舘ひろしサンが見学にいらっしゃるという夢のようなひとときも体験しました。
共にスーツをお召しで、長い脚を組んで折り畳みいすに座られていたお二人のカッコよさとオーラはいまでも鮮明に覚えています。
「石原軍団」の俳優さんは、石原裕次郎さん(享年52)や渡哲也さんの教えだったのでしょうか、皆さん、お優しいし、年下だったりアシスタントディレクターだったり、下の立場の者の振る舞いも温かい目で見ていてくださる。
『〜アルキメデス』のスタジオでも、神田サンや舘サンが「こんなに若いお嬢さん(私のことです……苦笑)と一緒に出ているの?」「うらやましいなぁ」などと真顔で言ってくださる(ように見えました)のでした。
おそらく、そうした“石原イズム”が、神田サンの『〜旅サラダ』をここまで長寿番組に育てたのでしょう。