イスラム組織ハマスによる大規模攻撃から1年──。パレスチナ自治区ガザ地区では101人の人質が拘束されたままだ。イスラエルとの停戦は実現するどころか、むしろ隣国レバノンにまで拡大している。
昨年10月に音楽フェスなどがハマス戦闘員による奇襲を受けた直後、現地の惨状を伝える動画などが世界中を駆けめぐった。国際ジャーナリストが語る。
「特に注目を集めたのが、裸に近い状態の女性が連行される様子を捉えた映像です。この女性、シャニ・ルークさん(享年22)は、ハマスによる残虐行為の犠牲の象徴とも言える存在となりました。今年5月、イスラエル軍によってガザ地区のトンネルでシャニさんの遺体が発見され、彼女はようやく愛する家族のもとへ帰ることができました」(国際ジャーナリスト、以下同)
また、SNSでは赤いショールを肩にかけて砂漠を逃げる女性の写真も広く拡散された。“レディ・イン・レッド”と呼ばれたヴラダ・パタポフさんは、ハマスの攻撃対象となった音楽フェスの参加者だったが、なんとか安全な場所まで逃げることができた。
あの襲撃から1年。英タブロイド紙『デイリー・メール』のインタビューに答えたヴラダさんは、「私は生き延びましたが、ほかの人々はそう幸運ではありませんでした。そのことを考えてしまい、心に重くのしかかります」と吐露し、現在もPTSDに苦しんでいることを告白している。
ハマスによる大規模攻撃をめぐっては、性暴力に関する証言が多数出ている。
「『男女見境なく局部が傷つけられた』や『女性の胸が切断された』といった目撃証言が出ています。イスラエル人女性で弁護士のアミット・スーサナさんは、ハマスに人質に取られているあいだ、性暴力を受けていたことを告白しています。『脚を閉じて抵抗したら、殴られて、顔に銃を突きつけられた』や『(男が)下着姿で頻繁に部屋に入ってきた。私の生理の時期を気にしていた』などと語っていました」