現在の佐野SAの状況は
従業員の復職後、佐野SAの動向はほとんど伝えられていない。別の元従業員はその後の様子を次のように語った。
「その後、復職した従業員らは半年ほど働きました。しかし、高速道路の維持管理をするNEXCO東日本グループは、ケイセイ社と佐野SA運営の契約を更新しないことを決定。2020年3月31日付で全員が失職しました。従業員たちの中では『4月からの運営会社が、ストライキ参加者を採用するとは思えない。特に高齢者は絶望的では……』と、動揺と諦めムードが漂いました。
もともと労働争議をしたかったわけではない従業員たちは、ケイセイ労働組合を事実上解散。その上で、従業員たちがまとまって動いた結果、後継の運営会社が雇用する形で、(体調問題で辞めた高齢者を除き)希望者全員が佐野SAで仕事を続けられることになりました。72歳の従業員含めて、全員です。今年のアタマまではみんなで仕事を続けていたようですが、その後、建物の解体工事に伴い、店舗は大幅に縮小されました」
現在、佐野SAは2024年1月から始まった商業施設の新築工事中で、大幅に縮小した仮設店舗のみで営業している。当時の建物は外壁に囲われ、窓ガラスなど建物の半分が取り壊されていた。スト当時の面影はなかった。