雪隠(せっちん)にこもる芭蕉は切れ痔による苦痛に顔をゆがめ、創作の行き詰まりを吐露する。内野の表情が見どころ

雪隠(せっちん)にこもる芭蕉は切れ痔による苦痛に顔をゆがめ、創作の行き詰まりを吐露する。内野の表情が見どころ

 今年で文学座での初舞台から31年目を迎えた。数々の舞台を踏んできた内野でも今作にはこれまでにない、最大級の恐怖を感じていると明かす。

「難しい役であるうえ、一人舞台なので逃げ場がない。緊張感は複数人でする芝居の比じゃないです。舞台で“下痢腹”にでもなったらアウトなので辛い物や大好きなアルコールを控えていますし、けがを防ぐための筋トレも毎日しています」

 自宅では就寝前まで書斎で台本を読み、寝付きが悪くなる悩みを抱える。

「56歳のおっさんで眠りも浅いので睡眠に関する情報に超敏感になっていて、最近“快眠パジャマ”なるものを買いました。多少高くても熟睡して日常のパフォーマンスを上げるほうがよっぽど大事だって、睡眠博士がテレビで言っていたので。入眠がしやすくなる工夫としてろうそくだけの“闇風呂”も時々やりますよ」

 オフの期間は自己管理のゆるい“ダメ人間”だと笑うが、芝居に臨む勝負期間の内野は徹底した役作りに燃えていた。

【プロフィール】
内野聖陽(うちの・せいよう)/1968年9月16日生まれ、神奈川県出身。文学座を経て舞台で活躍、演技派としてドラマや映画でも人気を博す。10月25日公開の映画『八犬伝』に出演、11月に主演作『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』の公開を控える。こまつ座 第151回公演『芭蕉通夜舟』10月14~26日、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA【全国公演】10月29日~11月30日、群馬・宮城・岩手・兵庫・富山・愛知・大阪。

撮影/藤岡雅樹 取材・文/渡部美也

※週刊ポスト2024年10月18・25日号

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