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《六代目山口組トップを狙う気だったのか》元神戸山口組No.2の初公判で提出された“戦慄のメモ用紙” 記されていた「司」「高山」の苗字と住所

中田被告率いる山健組は事件後、六代目山口組に復帰している(写真は司忍組長。時事通信フォト)

中田被告が逮捕時所持していたメモには六代目山口組・司忍組長を指したと見られる名前が(時事通信フォト)

 なぜ神戸山口組No.2が自ら“鉄砲玉”に──10月8日から神戸地裁で行なわれた裁判員裁判に注目が集まっている。冒頭陳述で、中田浩司被告(65)は犯行を全面否認。3日間の公判で検察側が65個にも及ぶ証拠を提出したが、驚きの声が漏れたのは中田被告が逮捕時、所持していた1枚のメモの内容だった。そしてついに中田被告が口を開く時がきたのだった。【前後編の後編。前編を読む

 2019年8月に発生した、六代目山口組の中核組織・弘道会の関連拠点前での銃撃事件。犯行直後から防犯カメラ映像が流出し、フルフェイスのヘルメットをかぶるヒットマンが、わずか2秒ほどの間で6発の銃弾(被害者には5発命中)を発射する瞬間が映されていた。

 衝撃が走ったのは同年12月。実行犯として中田被告が銃刀法違反容疑で逮捕されたことだ。中田被告は当時、神戸山口組の若頭、つまり組織のNo.2だ。さらに神戸山口組の井上邦雄組長の出身母体であり、山口組の名門組織として知られる山健組の組長でもあった。

「警視庁の調査によると、事件が起きた2019年末時点で神戸山口組の構成員数は約3000人。中田被告は抗争の陣頭指揮を担う立場で、“やってこい”と命令を下す立場にあった。暴力団の抗争事件は厳罰化が進み、殺人となると無期懲役となってもおかしくない。もし中田被告が犯人であったのなら、なぜ自らヒットマンにならなければならなかったのか」(実話誌記者)

 初公判が行なわれた10月8日、裁判冒頭で弁護側は「検察が提出した証拠は、間接証拠」「立証に足る能力を有してはいない」と主張。検察は、犯行当日の午前と午後、実行犯と見られる男性の足取りを追った防犯カメラのリレー映像を証拠の核とし、「この実行犯が中田被告である」と主張。公判3日間の審理で、計65個の証拠を提出した。

 証人として防犯カメラの映像を分析した警察官も出廷した。防犯カメラに映った犯人と、警察が逮捕前に撮影した中田被告の顔写真を比較する「顔貌鑑定」を実施。
「ただし、防犯カメラの実行犯は帽子を深く被っていたため、鑑定項目が限られたことで、結論は『実行犯と中田被告はおそらく同一人物』というものになった。

 検察の質問で、“おそらく”の割合を問われると、証人は『経験からして80%ほど』と回答しましたが、一方で帽子で隠れていた3箇所のうち1箇所でも違っていたら別人という判断になるとも証言。こちらも中田被告が犯人だという決定的証拠と言い切るには厳しい印象を受けました」(同前)

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