2019年、コンビニエンスストア各社が店内に掲示した、軽減税率について利用者に案内する共通ポスター(時事通信フォト)

2019年、コンビニエンスストア各社が店内に掲示した、軽減税率について利用者に案内する共通ポスター(時事通信フォト)

 コロナ禍のソーシャルディスタンスや青少年絡みの条例なども影響しているが、それに乗じてというか、あえて現場レベルでサービスを限定しているコンビニもある。一部ではコンセントを意図的に塞いでいる店もある。聞けば複数のモバイルバッテリーを延々と充電する人がいるから、とのこと。

 コンビニに限らないが「サービス」は本当につけこまれるばかりになったのかもしれない。逆に多くのまともなお客はそんなこと、しないのだから。

仕事が多すぎるコンビニで働きたくない

 また消費税、軽減税率の問題にもずっと悩まされてきたと話す。

「イートインとテイクアウトの確認も困りものでした。当初は決まりなので厳格にしていたのですが、持ち帰りと言ってイートインで食べる人がいて、だんだんと注意してもねえ……という感じになりました。いや、それがいけないなのはわかってますよ。でもそのいけないことをするのは誤魔化すお客さんのほうですから、なんというか」

 この件に関しては本当にかわいそうに思う。正直、現場も客も混乱させるしかない消費税、軽減税率に問題があるとしか言いようがない。イートインなら10%、テイクアウトなら8%、それは現場が客に意思確認しなければならない。

 国税庁はこう説明している。

〈「外食」に該当するか、「テイクアウト(持ち帰り販売)」に該当するかどうかは、事業者(売手)が飲食料品を提供する時点(取引を行う時点)で、顧客に意思確認を行うなどの方法によって判定します。なお、顧客への意思確認は、各事業者が販売している商品や事業形態に応じた、適宜の方法で行っていただくことになります〉

 2019年の導入だからいまさら怒っても、という話だが「適宜の方法で行っていただくことになります」とは釈然としない話で、当初はこの意思確認で揉めている光景を筆者も何度か目撃している。

 とにかく厳密に従うとなると複雑で「食事の提供の範囲」「黙示の合意の条件」「テイクアウトは軽減税率対象だがケータリングは『役務』なので標準税率」「有料老人ホームなどの食事提供は対象限度額までなら軽減税率」「出前は『譲渡』なので軽減税率」など、複雑極まりない。

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