集中できるものがあると“生きる力”になる
そしてもうひとつ、石坂が意識していることがあるという。それは“集中する時間をつくる”ことだ。
「ぼくは料理も好きだし、絵を描いたり、プラモデルを作ったり、読書をしたりするのも好き。集中できることが好きなんです。集中できるものがたくさんあるとそれが“生きる力”になる。キャンバスも本もプラモデルも出しっぱなしにしておいて、どんなに忙しくても毎日ちょっとずつやっています。しまい込むとやらなくなるから(笑い)」
テーブルを4つ置き、それぞれの趣味の道具を並べ、その日の気分でいずれかに没頭する。中でもいまはプラモデルに夢中だという。
「プラモデルとの出会いは小学生の頃だから、モデラー歴は70年以上。俳優業より長いね(笑い)」
いま再びプラモデル作りに熱が入るのは、2009年にプラモデルクラブ「ろうがんず」を結成したから。
「この当時、仕事をリタイアした60代の友人たちに会ったのですが、仕事ばかりで何もやってこなかった彼らは、それまでと大きく生活が変わり、元気がなくなっていました。そういう人たちも子供の頃はたいてい、プラモデルを作ったことがあった。ではまた作ってみたらいいのでは?と思って結成しました」
現在、会員は15名。石坂の妻もメンバーの一員で、一緒にプラモデル作りを楽しんでいるという。