自民党の“裏金議員”の当落にも注目が集まる総選挙。最初のうちは“裏金議員”に対して厳しい姿勢を見せていた石破茂・首相も、結局非公認としたのは12人にとどまり、裏切られた気持ちを抱える有権者もいるのではないだろうか。そんな時に効果的なのが「落選運動」だ。有権者が他の有権者に呼びかけて、候補者を落選させる運動であり、原則的には公職選挙法の規制の対象外となる。選挙期間中には一部公選法の規制が適用されるが、合法的な行為であることは間違いない。ここでは、その“落選運動”の具体的な実践方法を紹介する。【全3回の第2回。第1回から読む】
つぶやき作戦
「落選運動をしたいが、何から始めたらいいかわからない」
そう考えている人が取り組みやすいのが「つぶやき作戦」だ。XやフェイスブックなどのSNSで、「#○○候補落選運動」などのタグをつけて拡散する方法だ。裏金問題を告発し、かつて「安保関連法賛成議員の落選運動を支援する会」共同代表を務めた上脇博之・神戸学院大学教授が語る。
「SNSでは字数に制限があるので、落選させたい理由を詳細に書けない。その場合、根拠をきちんと説明している別のブログやHPがあれば、そこへ飛べるようにリンクを張って読んでもらう方法があります」(上脇氏)
裏金候補の問題点を検証したリストを作成するつもりだと語るのが、元東京地検特捜部検事で弁護士の郷原信郎氏だ。
「自民党の裏金議員がどう説明責任を果たしたかを軸に選挙期間中に改めて検証し、そのリストをネットで公表します。もし、裏金問題に焦点をあてて落選運動をする方がいれば、私のそのサイトのリンクを張る方法があります」
「投票交換所」開設
落選させたい候補が自分の選挙区ではなく、1票が行使できない──その場合、「ボート・スワッピング(投票交換)」と呼ばれる裏ワザがある。
これは、SNSなどに「#投票交換所」といったタグをつけて、複数の有権者同士で投票行動を“交換”する機会をつくるものだ。
たとえばA候補を落選させたい人は、ネットの交換所でその候補の選挙区の有権者を探し、落選運動を展開してもらう代わりに自分は相手の要請に沿った落選運動をする。一対一の交換が難しい場合は複数人で落選させたい候補者を交換することも可能だ。
「こうした方法に法律の規制はありません。合法です」(上脇氏)