街頭演説、チラシのポスティング

 落選運動では街頭演説やチラシのポスティングも可能だ。

 前出の郷原氏は、前回総選挙で特定の候補を落選させるために「××氏を当選させてはならない」と書かれたノボリを立て、自ら「〇〇氏落選運動」というタスキを掛けて候補者のように駅前などで街頭演説し、なぜその候補を落選させたいのかという理由を印刷したチラシのポスティングなども行なった。

 郷原氏が語る。

「演説は事前に自治体に申請して氏名、連絡先を届けていれば、会場では必ずしも氏名や連絡先を示す必要はないと思います。

 ただし、配ったチラシには氏名と連絡先を明記しました。効果が大きかったと思ったのは落選チラシですね。かなりの数を撒けましたし、自分の手で配るので、サイトに掲載するよりも反響が直にわかります。

 選挙の結果は、落選運動を行なった2人のうち1人は小選挙区で落選、もう1人は当選しましたが、対立候補との票差が前回選挙より3万票も小さくなりました」

YouTube広告が効果的

 その郷原氏が「落選運動で最も効果が見込める」と指摘するのがYouTubeの有料広告だという。

「YouTubeなどネットの有料広告は広告ターゲットが絞れます。選挙でも効果的と言われているが、候補者が公示後の選挙期間中に利用するのは公選法で禁止されています。しかし、落選運動の広告ならその規制はありません」

 有料広告にはコストがかかるが、前回総選挙では落選運動の費用をクラウドファンディングで集めたケースもあった。

 サイボウズ社長の青野慶久氏を中心に行なわれた「ヤシノミ作戦」は、選択的夫婦別姓や同性婚に反対している候補を椰子の実のように落とそうという運動で、費用はクラウドファンディングで約280万円を集めて賄った。

第3回に続く第1回から読む

※週刊ポスト2024年11月1日号

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