──今回が久しぶりの再会となったわけですが、いかがでしたか?
あの頃と変わらない、好青年のままでしたね。お会いしたら、僕を「おう、古賀っち」と当時の愛称のまま呼んでくれましてね。そう呼ばれたら、すぐに若い頃の距離にキュッと戻った気がしました。
それで二言目は「古賀ちゃん、よう来たね。『はじめてのおつかい』みたいだな」って。京都からバンクーバーまで、僕が一人で来たものだから、そう冗談を言ってきましてね。
──真田さんも古賀さんが来てホッとできたのかもしれませんね。
現地で聞いたのは、僕が来るまではピリピリしていたということでした。それが、僕が来たら笑顔が増えたと。そこは昔なじみですから。
──カナダに入る前に真田さんと何か話はされたのでしょうか?
僕がやることになったら、すぐにカナダから会社にiPadが届いたんですよ。僕も周りもどういくことがわからず驚いたのですが、僕がカナダに到着する前に真田さんが話をしたいということでした。それでリモートで一回だけ話をしましたよ。
──それは、打ち合わせだったのですか?
いや、挨拶みたいなものです。顔合わせっていうか、早く来てほしい……ということでしたね。顔が見たかったんじゃないですか。僕は顔を見てると思わず「ちょっと老けたんちゃうか」みたいな。それは、役のためにそういう格好をしていただけだったんですが。
──そういう軽口の言える、『影の軍団』の時の距離感にすぐ戻ったんですね。
そうですね。
──古賀さんとしては、どのような意気込みで臨まれましたか?
まず、話があったのは2021年の秋で、コロナが猛威をふるってたんです。それで周囲に止められましたもんね。「この時期に行く人はいないでしょう」って。でも、真田さんが僕を必要としてるから、行かなくちゃいけないなという気持ちでした。
当時はウチで別の大きな時代劇映画をやることになっていて、それとの二択でした。上司に聞かれたの、どっちへ行くかと。それで「カナダに行きますよ」と言いました。
──カナダにはどのくらいいたのですか?
2か月ですね。撮影は半年あったのですが、僕が東映を半年間留守にするのはちょっと不可能なので。最初は3か月ということだったのですが、年明けにこっちで時代劇の撮影があるから帰ってきてほしいと言われまして。東映には世話になってるし、従いました。