いつも一緒だったおすぎ(右)とピーコ

いつも一緒だったおすぎ(右)とピーコさん

 1945年1月18日、ピーコは神奈川県横浜市に生まれた。その5分後に生まれた双子の弟がおすぎだった。高校卒業後、兄はファッション、弟は映画評論の道へと進んだ。2人は1975年にラジオ番組に一緒に出演し、個性的なキャラ全開のマシンガントークで大ブレーク。「おすぎとピーコ」として芸能活動を始め、一躍人気者となった。

 だが年齢を重ねるにつれて方向性の違いが生じ、おすぎは福岡に拠点を移した。東京と福岡に分かれて暮らす2人だったが、その人生が再び交差することになったのが、2021年だった。

「2021年の夏頃に、おすぎさんの体に異変が生じたんです。テレビの収録中に集中力が散漫になったり、物覚えが悪くなるなど、認知症の初期症状が見られるようになりました。ひとりでの生活が困難になり、横浜市内のマンションで、ピーコさんと一緒に暮らすことになったんです」

 そう明かすのは、兄弟の同居開始から現在に至るまでの一連の経緯を知るピーコの知人だ。2021年12月、兄弟の約50年ぶりの同居が始まった。

「老後のお金はもう貯金してある。ピーコはお金がないから、アタシが面倒をみないと」

 かねてそう語っていたおすぎの思いとは裏腹に、ピーコがおすぎの面倒をみることになった。事務所を畳んで万全の準備とともに始めたはずの「老老介護」だったが、現実は甘くはなかった。 

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