NHK連続テレビ小説『おむすび』は平成の“ギャル”にスポットを当てったドラマ。
そこで、芸能界で活躍するギャルたちについて、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが分析する。
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ギャルは芯が強くやると決めたらとことん道を究める
9月30日にスタートした2024年度後期のNHK連続テレビ小説『おむすび』に対して、さまざまな声が上がっていますね。
すでに“離脱”したかたの意見で目立つのは、伊藤沙莉サン(30才)が演じた『虎に翼』の寅子に比べて、橋本環奈サン(25才)演じる『おむすび』の結は、考えが浅く、優柔不断に見えるからだとか。そうでしょうか?
(以下、ネタバレ含みます)
平成16年4月6日、糸島東高校に入学して早々、4人のギャルに囲まれ、「ハギャレン(博多ギャル連合)」の総代になってほしいと頼まれた結。理由は、結の8つ年上の姉・歩(通称、アユ=仲里依紗サン・35才)が「ハギャレン」の初代総代であり、地元では“伝説のギャル”として知られているから、その妹ならば間違いないというワケです。
結に過干渉しがちな父・聖人(北村有起哉サン・50才)はそんな不穏な空気に警戒心を抱く一方、母・愛子(麻生久美子サン・46才)はギャルに理解を示しています。
さて、私がギャルという言葉を初めて耳にしたのは1979年、沢田研二サン(76才)が歌った『OH!ギャル』です。作詞は阿久悠さん(享年70)で、歌の中で「ギャル」は20回以上も連呼され、その後に続くのは「女は誰でもスーパースター」でした。この「ギャル」は、girlから転じた俗語であり、1990年代以降、社会現象を起こしたギャルとは異なります。
日サロで焼きまくった色黒の肌や派手な色の髪、長いネイル。なんでそんなに実際の目の枠から離れたところにアイラインを引いているのかわからないデカ目メイクが印象的で、シンボルはなんと言っても安室奈美恵サン(47才)でしたよね。
そんなギャルを仕事場で毎週見ることになったのは2000年代、構成に加わっていた『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)でのことでした。特に渋谷のギャルサーの初代総長だった「なちゅ」こと竹川奈津子サン(39才)は忘れられません。
彼女はその後、お笑い芸人になったり、SDN48のメンバーになったり、総合週刊誌で連載をしたりと八面六臂の活躍をしていたのです。彼女のおかげで、ギャルとは芯が強く、やると決めたらとことん道を究めるという印象もあります。
そして大食いというジャンルに現れたギャルは、2006年『元祖!大食い王決定戦 新爆食女王誕生戦』(テレビ東京系)で優勝したギャル曽根サン(38才)。当時、リングネームのようにキャッチーな呼ばれ方をされていた大食い女王たちは、それをそのまま芸名にしているかたが少なくないのですが、「ギャル曽根」のインパクトは最大でした。