腸壁からの出血
美智子さまは、民間から嫁がれた初めての皇太子妃だった。皇室にとっては前例のないことで、ご成婚前から宮中には反対する声も上がっていた。
現在の天皇陛下をご出産後にはお子さまを流産されたことがあり、3か月間の静養を余儀なくされている。皇后となられた後も、1993年のご自身の59才の誕生日当日に倒れられ、心因性の失声症を経験された。直前に、美智子さまを批判する記事が複数の雑誌に掲載されていた。
さらに近年では、頸椎症性神経根症による肩や腕の痛みやしびれに悩まされているうえ、4年ほど前からは原因不明の微熱が続いている。ほかにも2015年に冠動脈の狭窄によって心筋の血流が悪くなる心筋虚血や、2019年に早期の乳がんが見つかるなど、ご不調とは常に隣り合わせだった。
上皇さまも昨年12月に90才を迎えられ、ともに日本人の平均寿命を超えられている。お体に不調が見つかるのは当然のことだ。それを見越して、最近もある変化があった。10月1日付で、上皇侍医に石丸和寛氏が着任した。
「上皇侍医は、言うなれば上皇ご夫妻の“かかりつけ医”です。石丸氏は国立国際医療研究センター病院の医師で、大腸や結腸などの消化器が専門です。美智子さまはかつて、腸壁からの出血に悩まされていたことがあります。命にかかわる事態というわけではありませんが、さまざまな状況に対応できるように人員を整えているのでしょう」(別の皇室記者)
そうした手助けを受けながら、美智子さまはこれまでの窮地から必ず立ち上がってこられた。
「美智子さまは、自分の人生は上皇さまに捧げるという覚悟をもって嫁がれた方です。その思いが揺らいだことはありません」(前出・別の皇室記者)
上皇さまもまた、美智子さまへの愛情を深く持たれてきた。今回の美智子さまの入院と手術にあたって、上皇さまは入院した日と手術当日に東大病院までお見舞いをされ、退院した日は仙洞御所の玄関で、車椅子姿の美智子さまの帰宅を迎え入れられた。美智子さまが上皇さまを支え、上皇さまが美智子さまを気遣われるお姿は、御代がわりの前も後も変わっていない。
「上皇ご夫妻は退位後の仙洞御所の改修工事中、高輪皇族邸で過ごされました。皇居に比べるとかなり手狭な環境で、コロナ禍も重なって窮屈な生活を強いられていたはずです。それでも美智子さまは、皇居にお住まいだったときと同じように上皇さまと庭の散策をされ、本を音読されるなど、おふたりで豊かな時間を過ごせるように新たな提案をされてきました」(別の宮内庁関係者)