“明るく元気で夢に向かって爆進するけど、斜に構えたやんちゃな少年たち”
5人が事務所に入所した1990年代後半は“ジュニアの黄金期”として知られ、滝沢秀明(42才)や今井翼(43才)、山下智久(39才)、生田斗真(40才)ら錚々たる顔ぶれが揃っていた。とはいえ、のちに嵐となるメンバーは全員が順風満帆とは言えなかった。
当時の社長から直接電話を受けて事務所に所属することになった「スーパーエリート」の松本、出待ちするファンの対応に1時間かかった相葉に対し、櫻井は学業を優先して高校を卒業したら退所しようと考えていた。大野も「芸能界はもういい」と退所する意向を持ち、二宮にいたってはデビュー前に「今年いっぱいで辞めます」と事務所に伝えていた。
それゆえ5人が1999年9月15日、ハワイ・ホノルルで嵐としてのデビュー会見を行ったのはファンや関係者の間では衝撃だった。当時を知る芸能関係者が振り返る。
「誰がデビューするか聞かされないまま、芸能担当の記者たちはハワイまで呼ばれました。タッキーか山Pの出番だと思ったら、聞いたこともない5人のグループで、正直“誰?”と感じた人もいました。5人とも不安そうな表情を浮かべて、のちに国民的アイドルグループになるなんて想像できませんでしたね」
デビュー当初から嵐の取材を重ねた芸能リポーターの駒井千佳子さんも、最初は戸惑ったという。
「当時のタレントはみんな“おれが、おれが”とガツガツしていたけど、嵐の5人は我が強くなく、見ていた私が不安になるほどでした。もちろんジュニアから選抜されたのだからカッコよくてオーラもあったけど、厳しい芸能界を生き抜くには“いい子”すぎる気がしました」(駒井さん)
二宮も本誌『女性セブン』2014年5月22日号のインタビューで当時の心境をこう振り返っている。