投手・大谷との対決も
グラウンド外の要素もある。大リーグ研究家の福島良一氏は「大谷とヤンキースの因縁」に着目する。
「7年前、日本ハムからメジャーに挑戦する時はヤンキースも名乗りを上げたが、大谷サイドから面談許可が下りませんでした。昨年オフに大谷がFAになった際もヤンキースは獲得に動いたが、ライバル球団のドジャースに移籍。ヤンキースファンは大谷を“敵”と認定し、激しいブーイングを浴びせます。ワールドシリーズ第3戦からのヤンキースタジアムでも、大谷の打席では地響きのようなブーイングが球場を包むでしょう」
だが、それを跳ね返すのが大谷だ。
「これまでの活躍を見てもわかる通り、彼はブーイングを気にしないどころか、ますます燃える。過去のヤンキース戦の数字が悪いとする指摘もありますが、ホームラン級の打球をセンターのジャッジに好捕されたことが2回ほどあり、数字に表われない、いい印象がある。しかも大舞台に強い選手ということはWBCなどこれまでの実績が証明している」(福島氏)
現代の野球ファンが幸福なのは、今回のワールドシリーズが決着しても、もっと魅力的になるこの2人の戦いを追い続けられることだ。来季、大谷の二刀流が復活すれば「投手・大谷vs打者・ジャッジ」の対決もある。
「大谷がヤンキース相手に登板したのは2021年と2022年に1試合ずつしかないが、いずれも打ち込まれた。ジャッジは2打数2安打の打率10割で、うち1本は本塁打でした。ただ、当時の大谷は横に大きく曲がる“魔球”のスイーパーを習得してなかった。右バッターに有効なボールなので、今後の対戦ではジャッジを抑え込める可能性もある」(友成氏)
今季の頂上決戦、そして来季以降続く“夢の対決”からも目が離せない。
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※週刊ポスト2024年11月8・15日号