「私としては芸能界はオススメしない」
読書は反抗期への対処法など、子育てについて考えるヒントもくれた。井上さんの子育ては独特だ。たとえば、家にはテレビがない。子どもたちが幼い頃は、ひとつの携帯電話を一緒に使い、友人とのラインのやりとりなどを家族全員で共有していた。子どもが「学校に行きたくない」と言ったときは、「わかった」と言って休ませ、登校を無理強いすることはなかった。
「みんなと同じことをしなくてはいけない、とは私は考えていないので。私自身、『なんで行かなくちゃいけないのかな』と疑問に思ってサボったりしたこともあるので、行きたくなくなる気持ちはわかるし(笑)。ただ、子どもが学校を休んで好き勝手にやらせるわけではなくて、『学校に行かなかったら、どうなるかわかる?』って子どもと一緒に考えます。そうすると、子どもたちは自主的に学校に行くようになりましたね」
科目の勉強についても同じ。古文や数学を「勉強したくない」「大人になっても役に立つと思えない」という子どもたちと、一緒に考え、話し合ってきた。
「正解はわからない。でも、子育てを完璧にしようとは思っていないんです。大人も完璧じゃないので、失敗してもいい。子どもたちが失敗するのは当たり前。だから、ビクビクしないでまずやってみる。それで間違えることもある。でも、間違えてみないと、間違えだったかどうかもわからないと思うんです。正解がひとつじゃない、というパターンもありますよね。間違えて、失敗しながら学べばいい。失敗しちゃいけない、と思ったら息苦しくなっちゃいます」