国内
ベトナム人車両窃盗団

《ベトナム人車両窃盗団の実態》ドラレコ映像から見えた“素人っぽさ” 群馬県内の“アジト”にいたカンボジア人住民の証言

ホンダカーズ野崎店の防犯カメラに映った犯行の様子(松本氏提供)

ホンダカーズ野崎店の防犯カメラに映った犯行の様子(松本氏提供)

 昨今、ベトナム人犯罪グループによる大規模な車両窃盗事件が相次いでいる。10月上旬には、中古車販売大手・WECARS(旧名ビッグモーター)新潟南店に侵入し乗用車7台や現金を盗んだ容疑で、5人のベトナム国籍の男たちが再逮捕された。

 犯罪に走ることが多いのは、通称「ボドイ」と呼ばれるベトナム人の不法滞在者たち。多くは職場を逃亡した元技能実習生だ。

 その犯行の実態を、『北関東「移民」アンダーグラウンド』(文藝春秋刊)の著者で、在日外国人問題に詳しいルポライターの安田峰俊氏が報告する。【前後編の後編】

ドラレコに映った犯行

 実際の被害店舗の声を聞いてみよう。

 今年8月19日、店舗の販売車両11台と現金約200万円を盗まれた栃木県の「ホンダカーズ野崎店」店長の松本正美氏は話す。

「朝、店の駐車場に自動車のカギが散乱していました。犯人たちは事務所の窓ガラスを割って侵入したらしく、耐火金庫を強引に破壊して現金も盗んでいて……」

 店舗は都市部から離れた国道沿いにあり、隣家との距離も離れている。ゆえに従業員が不在の夜間に、事務所への侵入を許してしまった。

 松本氏によると、犯人らは事務所内で入手したスペアキーを用いて片っ端から車両のロックを解除、みずから運転して車両を盗んだという。キーの通電用の予備電池を持ち込むなど、一定の下準備の上での犯行だったことが判明している。

 犯人らはまだ捕まっていないが、幸いにも被害車両はすべて発見された。松本氏がSNSで被害を訴えたところ、馴染み客らが捜索して8台を発見、さらに警察の捜査で残りが見つかった。

 車両の多くは、店舗から数十キロ圏内の駐車場や、東北道のパーキングエリアなどで発見された。これは他の類似事件とも共通する特徴で、いったん数日間クルマを寝かせ、GPSなどの追跡がないことを確認してから再度移動。第三者に転売する方式らしい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問している佳子さま(写真/アフロ)
佳子さま、外交関係樹立130周年のブラジルを公式訪問 子供たちと笑顔でハイタッチ、花柄のドレス姿も 
女性セブン
「寂しい見た目」の給食に批判が殺到(X /時事通信フォト)
《中国でもヤバい給食に批判殺到》ラー油かけご飯、唐揚げ1つ、「ご飯にたまご焼きだけ」と炎上した天津丼…日本・中国で相次ぐ貧相給食の背景にある“事情の違い”
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
山本賢太アナウンサーのプロフィール。「人生は超回復」がモットー(フジテレビ公式HPより)
《後悔と恥ずかしさ》フジ山本賢太アナが過去のオンラインカジノ利用で謝罪 「うちにも”オンカジ”が…」戦々恐々とする人たち
NEWSポストセブン
親日路線を貫いた尹政権を「日本に擦り寄る屈辱外交」と断じていた李在明氏(時事通信フォト)
韓国・李在明新大統領は親中派「習近平氏の接近は時間の問題」、高まる“日本有事”リスク 日米韓による中国包囲網から韓国が抜ける最悪のケースも
週刊ポスト
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン