真の国民政党を作り直せ
牧島氏はより深い総裁選の敗因分析も求めた。
「高市(早苗)さんが最も党員票を取り、国民一般の支持が高い進次郎君が3位に終わったのはなぜか。党を生まれ変わらせる前にそこを解き明かさないと、同じことがまた起こります」
そこにある懸念は、近年の党員の“変質”だ。野党時代に70万人強にまで激減した自民党員は、政権復帰後の約10年間を経て、105万人にまで回復した。その穴を埋めた30万人は、一強だった安倍(晋三)氏を支持する右派が多い。全体に高齢化し、穏健な中間層の影響力は下がっている。
「2つの敗戦で、進次郎君は党の刷新のために自分が果たすべき責任を改めて自覚したと思います。執行部を外れたのは絶好の機会です。進次郎君には、この際、冷静に原点に立ち返ってほしい。
なぜ、自民党は一部の意見ばかりが通り、国民とズレた政党になったのか。それを見つめ直して、地域と結びついた、足腰の強い真の国民政党に作り直す。基礎から始めなければいけません。これは進次郎君が再びトップを目指す上で避けて通れない課題でもある。
執行部を外れても、進次郎君には、神奈川県連会長の立場は残る。仲間たちは彼を待っています」
神奈川は1970年代以降、自民党を飛び出した新自由クラブが生まれ、革新首長が次々誕生する“赤い太平洋ベルト地帯”と呼ばれた時期もある。
「自民党にとって地獄のような時期から、国会議員、地方議員が歯を食いしばって党員を1人ずつ増やし、王国と言われるまでに押し上げた。もう一度、それをこの地元から始めればいい」