バイトを雇わず少数精鋭で
現在、『丼太郎』が提供する牛丼の並盛りの価格は1杯390円。『吉野家』498円(税込、以下同)、『すき家』430円、『松屋』430円と大手チェーン店と比較しても安さが際立つ。大手なら大量仕入れなどスケールメリットが働くが、1店舗のみで運営する『丼太郎』が、この価格を維持できるワケは何なのだろうか。
「コストを削りに削ってやっています。バイトは雇わず、社員の4人でシフトを回し、昼以外はワンオペ。みんなベテランだから、ご飯の量もピタッとわかる、牛肉の量も数グラムも変わらない。だから盛り過ぎでコストがかさむこともないし、品質が高いレベルで安定する。それがリピーターさんをから評価されている理由のひとつだと思います」
牛肉はその時々の価格に応じて仕入先を変え、現在はアメリカ産やオーストラリア産を使用。米は国産にこだわり、値上げに耐えながらも盛りの量を減らさず提供を続けている。
「『安い』『早い』『うまい』この3つがやはり牛丼の鉄則だと思いますから」
物価高の波が押し寄せる中でも、『丼太郎』はこの3つが叶う場所であり続ける──。
後編では『丼太郎』が大切にしている“思い”や店の展望について佐藤社長に語ってもらった。
(後編に続く)