着物と帯の組み合わせは基本的に「朝起きてから決める」
初日は右胸あたりに金糸で鳳凰が刺繍されたクリーム地の着物にゴールドの帯という組み合わせだった。この女性は「東京在住で、長く角界に貢献する方。相撲観戦のためにわざわざ東京から九州まで着物や帯を送ることで知られている」(協会関係者)とされる。
今場所も15日間皆勤するのか。着物美人の女性に確認すると、こう答えた。
「九州場所はもちろん皆勤します。着物の数ですか? 着物40枚、帯30本を持ち込んでいます。初日と千秋楽だけは決めていますが、基本的にどの組み合わせにするかは朝起きてから決めます。その日の気分ですが、縁起の良い柄や色を選ぶことが多いですね。毎日楽しませてもらってます」
加えて九州場所の向正面の溜席にはもうひとり注目されている女性がいる。力士の浴衣地をワンピースやシャツに仕立てた服で観戦することで知られる女性で、こちらも15日間皆勤している。この「浴衣地ワンピース女性」も初日に声援を送る姿があった。「着物美人」とは控え行司を挟んで右と左に分かれて座っていた。
この日は貴景勝(現・湊川親方)の四股名が入ったブルー地の浴衣。貴景勝が化粧廻しにも採用していたジェラートピケの浴衣地だった。その浴衣地を首元が大きく空いたデザインとしたワンピースで観戦。こちらも15日間違う関取の浴衣で皆勤することで知られている。先場所で引退を表明した貴景勝の浴衣地を選んだことにも、思いがあるのだろうか。
土俵上では15日間の熱戦が期待されるが、白熱する取組を土俵下で彩る女性たちの15日間の衣装にも注目が集まっている。