一方で、「古い慣習にはとらわれない信千世氏の『スタンス』の問題かもしれない」と語るのは、ある永田町関係者だ。
「これまでの政治家の妻は夫の不在中は代わりに地元を守る、という慣習がありましたが、時代が変わりキャリアを持つ女性も多くなった。小泉進次郎さんの妻・滝川クリステルさんも、いわゆる“政治家の妻”としての活動は全くしていません。進次郎さんもそれをよしとしていますし、今後はこういう形がスタンダードになるのかもしれません。
そういう意味で、信千世さんも結婚や奥様については地元の支援者に報告しなくてもよい、という思いがあったのかもしれませんね」
それでも先の後援会関係者はこう続けるのだ。
「今時の若い人なんだから多様な結婚観があって当然のこと。政治家の妻になったんだから、後援会と無理に付き合えとか、選挙を手伝えとか言いたいわけではないんですよ。信千世さんに言いたいのは、世話になっている人、自分のために頑張ってくれた人、心配してくれている人に対して人生の大事な節目の報告くらいするべき、という一般論です。これも古い考えなんでしょうか……」
最強の世襲議員といわれる信千世氏は、これまでの2つの選挙はどちらも辛勝だった。次の闘いまでに地元の信頼を取り戻さなければ、さらに厳しい選挙戦になるかもしれない。