10月末で引退していた神戸山口組の「幹部」
その神戸山口組の組織体制に大きな動きがあった。幹部の清崎達也・大門会会長が引退していたことがわかったのだ。警察も認識していて「10月末で井上組長から引退が認められたと見ている」(警察関係者)といい、驚きが広がっているという。この清崎会長の引退が話題になるのはなぜか。前出・実話誌記者が解説する。
「清崎会長は分裂に加わった直参組長の1人ですが、その中でも井上組長を長年支え続けた人物として知られています。分裂直後から“秘書”に命じられ、井上組長に常に寄り添い続けた。井上組長の“ボディガード”も兼ねていて、襲撃に備えて鍛錬を積み重ねていたと言われている。
六代目山口組も清崎会長を重要ターゲットにしていて、2019年11月には刃物で襲撃しています。引退の理由はわかっていないが、まだ50代なので、健康上の問題とも考えにくい。井上組長が信頼を寄せている人物がゆえに関心が集まっている」
大門会は熊本県に拠点を置き、2016年の熊本地震で救援活動を行なったことが知られている。当時、記者が現地取材した際は、全国の組織から送られてきたとみられる大量の救援物資を事務所前で組員が黙々と被災者に渡していた。
取材を申し込むも「見せ物ではない」と断られたが、清崎会長も汗を流したといわれている。熊本には六代目山口組の二次団体の本部もあったため、当時、清崎会長が救援活動をすることへの危険性も指摘されていたが、一時休戦だったのだろう。六代目側も救援活動を行っていた。
「清崎会長の離脱で、分裂に加わった13人の直参組長で残っているのは井上組長を含めて3人になってしまった。他の2人の組長は舎弟と舎弟頭補佐で、ついに幹部は0人。それでも井上組長は懲役に行っている組員のためにも、徹底抗戦の構えを崩すことはできない。六代目山口組もこれを機に切り崩しに動いていきたいところでしょうが、警察の締め付けが厳しく抗争へのハードルは高い。さらなる長期戦は避けられないでしょう」(同前)