50年前に“消滅”した島が空前のブームを迎えている。好奇心に満ちた表情で、人々が船から降り立つ先は、長崎県の端島。通称、軍艦島だ。長崎県で軍艦島ツアーを行う「軍艦島コンシェルジュ」の佐藤義太郎さんが話す。
「軍艦島への上陸ツアーは連日満席で数週間先まで予約が埋まっています。1か月前と比べ、予約サイトの閲覧数も約5倍となり、反響の大きさを実感しています」
ブームを後押しするのは、軍艦島を舞台にした日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)だ。
「主演の神木隆之介さん(31才)と宮本信子さん(79才)は実際に上陸ツアー船に乗船し、撮影しました。ツアーでは、池田エライザさん(28才)が働いていたラウンジや斎藤工さん(43才)らが集った事務所など、ドラマの撮影場所をご案内しています」(佐藤さん)
長崎港から船で40分。海底炭鉱で栄え、最盛期には東京ドームの1.3倍ほどの面積に5200人以上が住んだ軍艦島。ドラマは活気あふれる当時の島の生活と、現代の日本社会が交互に描かれる。過去と現在が絡み合って謎が謎を呼ぶミステリー展開が見どころで、第5話(11月24日放送)では宮本演じる謎の女性「いづみ」の正体が明らかになった。
放送が終わるやいなや、SNSでは“今回も傑作だった”“映画みたいなクオリティーだ”という声があがる本作だが、撮影は超タイトなスケジュールで進んでいるようだ。
「ここ数年の日曜劇場は放送後にNetflixでも配信されてきましたが、今回の配信はU-NEXTのみ。実は、Netflixで配信するには放送2週間前に本編映像が完成していなければならず、今回はそれに間に合っていない。それほど最後の最後まで編集にこだわっているようです」(テレビ局関係者)
作中で圧巻なのは、軍艦島の鉱業会社で働く鉄平と現代の東京でホストをする玲央の一人二役をこなす神木の演技力だ。