外交官という職を捨てて皇室入りを決断された雅子さまにとって、皇后として国際親善に寄与することは、長年の悲願だった。御代がわりから6年。コロナ禍、そして体調不安を乗り越えつつあるいま、雅子さまは希望の日々の入り口に立たれている──。
12月1日の愛子さまの23回目のお誕生日を前に、雅子さまも慌ただしく過ごされているようだ。
「今年の誕生日は日曜日に当たるため、前日の11月30日から多くの人がそのお祝いに、愛子さまと両陛下が暮らす御所を訪れるようです。当日はまず愛子さまが上皇ご夫妻へのご挨拶に出向かわれ、その後、皇族や宮内庁の職員らが祝賀に訪れる段取りです。客人を迎える準備に雅子さまも余念がないようです」(宮内庁関係者)
8日後の9日には、雅子さまご自身の誕生日も控えている。
「誕生日に合わせて毎年発表される文書は、記者たちも『本当に素敵な文章をつづられる』と口をそろえています。国民に直接お言葉を届けることのできる貴重な機会ということもあり、毎年期限ギリギリまで推敲されるなど、雅子さまは相当な時間をかけて準備されているそうです」(宮内庁担当記者)
ご多忙な中でも周囲への気配りはますます丁寧だ。11月15日に薨去された三笠宮妃百合子さまの弔問のため、両陛下は赤坂御用地の三笠宮邸に連日のように足を運ばれている。
「雅子さまは赤坂御用地を巽門から出られる際、わざわざ窓を開け、沿道に集まる人に向けて丁寧に会釈をされていました。忙しさを感じさせないほど顔色もよく、毎年誕生日に合わせて発表される医師団らの見解では、今年も『御快復の途上にある』と発表されるのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
弔い、そして祝賀の準備に追われる雅子さまの状況を鑑み、宮内庁では公務のスケジュール調整が行われているという。
「11月29日、東京・虎ノ門で開かれる『自治体消防75周年記念大会』は、陛下おひとりでの参加が予定されています。雅子さまとしてもお出ましになりたい気持ちはあるものの、前後の日程や愛子さまの祝賀の準備を考慮されているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
そんな雅子さまは、11月20日に行われた「世界文化賞」受賞者らとの面会で、いつも以上に溌剌とされた一幕があった。同賞は、国際的に顕著な功績を残した芸術家に贈られる賞で、受賞者である5人のアーティストのほか、ヒラリー・クリントン元アメリカ国務長官など、各国の要人が皇居に招かれた。
「雅子さまはその日、淡い藤色のスーツ姿で懇談に臨まれました。日頃からお話好きの雅子さまですが、この日はたいへん生き生きとされていて、心から会話を楽しまれているご様子でした」(皇室記者)
特に輝きを放ったのが、絵画部門の受賞者であるフランスのソフィ・カルさんと対面したシーンだ。
「雅子さまは通訳を介さず、フランス語で直接彼女にお声がけされたのです。見知らぬ人を題材とする彼女独特の表現技法について、『面白い方法ですね』と大きくうなずきつつ、興味深そうに話していらっしゃいました」(前出・皇室記者)