幸いにも襲われた男性は軽症で、全治1週間のケガと診断されたものの12月3日までに退院したという。
市の農地森林整備課によれば、このクマが商品を食い荒らした様子はなく、パニックで店に迷い込んだ可能性もあるようだ。まる2日間以上におよんだクマの“立てこもり”だが、なぜ捕獲までに時間がかかったのか。同課の担当者が説明する。
「もっと早く捕まえられたのかなというのは反省している部分はあります。まず店舗にワナを設置して、その後にドローンを飛ばして、店内にクマがいない事を確認したので、バックヤードにいるんだろうなと判断しました。そっちにワナを移そうと動いたんですけど、やはり警察のほうからなかなか許可がおりなかった。
100%の安全を考えたときに、クマがバックヤードから急に襲ってくる可能性などを考慮すると、ワナを移すのは難しいという判断だったようです。もう少し早く安全を確認して、ワナをバックヤードに移せられたら、これほど時間はかからなかったのかもしれません……」
駆除に賛否両論も…「殺さないと戻ってくる」
秋田県では昨年10月、同県美郷町と猟友会が協力して、作業小屋に立てこもったクマ3頭を殺処分したことに対して県などに苦情が殺到したケースもあった。市によれば今回の件についても、県内外から現在までに119件の連絡があり、うち半数ほどが「(クマを)どうして殺すのか」といった反対意見、残りは「(処分してくれて)ありがとう」という感謝の声だという。